平野太呂「ボクと先輩」

 雑誌「POPEYE」(マガジンハウス)は12年5月発売の6月号からリニューアルしました。

 

 リニューアル号からはじまった平野太呂さんによる「ボクと先輩」という連載が、3周年(36回)の15年5月号で最終回を迎えていました。

 平野太呂さんといえば、大原大次郎さんがデザインした星野源さんやサケロック作品のCDジャケットなどの写真を撮影している、といえばわかりやすいでしょうか。写真家とアートディレクター、アーティストが長期にわたり一貫して作品を送り出している例を、他には、佐内正史さん×中島英樹さん×中村一義さんのチームしか思い浮かびません。

 

 「ボクと先輩」は、タイトルどおり、1973年生まれの平野さんが1922年生まれ(水木しげる)から1961年生まれ(孫家邦)の先輩たちに会いに行く連載です。

 自然光のなかで撮られたポートレイトや4葉の写真とともに、短い文章が添えられています。先輩との思い出や撮影時の食事の事などがつづられるとともに、先輩を通した平野さんの自伝も織り込まれています。

 

 3年間で36人の「先輩」に平野さんは会いに行きました。

 大学時代の恩師(粉川哲夫、新正卓)だったり、父親の知り合い(浅井愼平片山健)だったり、スケボー仲間(石井志津男)だったり、写真家として独立した直後にお世話になった方(孫家邦、小西康陽、岡本仁)といった面々です。

 安西水丸さんも含まれており、3年間という時間が保存されていました。

 

 最終回に登場したのは、父親である平野甲賀さん。単行本化されるときの装丁をお願いしたとあり、楽しみが増えました。

 ページの片隅に小さく載っていた新連載タイトルは、「ボクと後輩」。9月号から始まるそうです。

 

2012年

01 06月号782  大塚忠雄   テーラー大塚店主

02 07月号783  浅井愼平   写真家

03 08月号784  柚木沙弥郎  染色作家

04 09月号785  浅葉克己   アートディレクター

05 10月号786  安西水丸   イラストレータ

06 11月号787  柳生博    俳優/日本野鳥の会会長

07 12月号788  阿部勤    建築家

 

2013年

08 01月号789  高橋悠治   作曲家/ピアニスト

09 02月号790  木滑良久   マガジンハウス最高顧問

10 03月号791  浜田哲生   プロデュース・センター代表取締役

11 04月号792  渡辺捷治   自転車ビルダー

12 05月号793  大林宣彦   映画作家

13 06月号794  粉川哲夫   メディア批評家

14 07月号795  ピーター・バラカン  ブロードキャスター/InterFM執行役員

15 08月号796  藤本やすし  「CAP」代表/アートディレクター

16 09月号797  浅野悦男   農業課/エコファーム・アサノ代表

17 10月号798  早川浩雄   へら師

18 11月号799  イエルカ・ワイン  薪ストーブ職人

19 12月号800  勝見モト   「パラダイス・アレイ」相談役

 

2014年

20 01月号801  武本充敏   「organ」店主

21 02月号802  新正卓    写真家

22 03月号803  なぎら健壱  シンガーソングライター

23 04月号804  水木しげる  漫画家

24 05月号805  立花ハジメ  ミュージシャン/グラフィックデザイナー

25 06月号806  片山健    絵本作家

26 07月号807  篠塚和典   プロ野球解説者

27 08月号808  安藤正行   「サーカス・サーカス」店主

28 09月号809  石井志津男  「OVERHEAT MUSIC」代表

29 10月号810  桑原茂一   「クラブキング」代表

30 11月号811  石本藤雄   デザイナー、作陶家

31 12月号812  渡辺篤史   俳優

 

2015年

32 01月号813  添田浩   建築家、デザイナー

33 02月号814  孫家那   「リトルモア」代表

34 03月号815  小西康陽  音楽家

35 04月号816  岡本仁   編集者

36 05月号817  平野甲賀  装丁家