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「ニャ夢ウェイ」を終わらせた「ロッキング・オン・ジャパン」

 「音楽雑誌を熟読していくと、このインタビューはいい、これはそうでもない、このレビューは刺さるけどこっちは何も感じない、ではこれを書いた人は誰なのか......と興味の矛先が書き手に向かうんですね。最初はミュージシャンの声を知りたくて読んでいたのに、気づけば全力で書き手を追っている。そのうち一行目だけで「あ、これは◯◯さんの原稿だ」とわかるくらいになる。マニアックな話ですけど、ほんとうに好きな人ってそれくらい夢中になって音楽雑誌を読むんです。」

石井恵梨子「酒と泪と育児とロック」vol.14)

 

 「そう、そう。そうなんだよ」って頷きながら読みました。編集者がインタビューしてレビュー書いてコラムも書いてという同人誌のような手法をとる雑誌を愛読していれば、誰もが辿りつく境地です。

 インタビューのリードやレビューなど本人の文章だけでなく、コラムを連載している人が編集部員のエピソードを書くと更に夢中になっていきます。

 その最たる連載は、松尾スズキさん(原作)と河井克夫さん(作画)のユニット「チーム紅卍」による通称「ニャ夢ウェイ」でした。

 「ニャ夢ウェイ」には、ロッキング・オン社の編集部員が何人も登場しました。「ニャ夢ウェイ」はマンガなのでキャラが盛られ、デフォルメされた似顔絵を含めて、一層、編集部の方たちが身近な存在になりました。中本浩二さん、坊主頭の兵庫慎司さん(河井さんの絵だと、顔はサンボマスター山口隆さん似?)、コアラ小杉俊介さん、小松香里さん、、、。

  その「ニャ夢ウェイ」が、2015年6月号をもって最終回となっていました。リニューアルするとは考えられないし、寂しい限りです。

 

 CDを買ったアーティストが『ロッキング・オン・ジャパン』に登場しないことが増えたので、購入頻度は下がっていきました(7月号の表紙はMr.Children桜井和寿さんらしいから買おうかな)。

 『ロッキング・オン・ジャパン』は買わなくなったけど、『MUSICA』は購入しています。宇野維正さんがレビューページのレギュラーだし、短いけどアナログフィッシュモーサム・トーンベンダーのインタビューが載るからです。

  『MUSICA』はまだ編集部員のキャラが弱い印象です。鹿野淳さんのキャラが強すぎるのかもしれないけど。編集長の有泉智子さんがロッキング・オン出身ということは03年の『bridge』を読み返した時に知りました。『bridge』は音楽と関係ないコラムが載る雑誌ではなかったから、印象に残っていなかったのかもしれません。

 

 ロッキング・オンが「RO69」で編集部員のブログを何本も載せているけど、石の多い玉石混交です。かつては、兵庫慎司さんのブログが更新されるのを毎日確認し、宮嵜広司さんがレビュー付きで選ぶ年間ベストで買ってないCDを買っていました。モリッシーのことが気になるようになったの宮嵜さんのブログ読んだからです。

 

 編集部員のキャラで雑誌の売れる時代ではないということかもしれません。けれど、『Pen』の雑誌特集号で『週刊文春』の編集者が、「最近編集長に言われました。『スクープ記事には、新規の読者を呼び込む役目がある。連載には、そうして連れてきた読者をつなぎ止める役割がある』と」、という発言をしていました。

 

 Mr.Childrenの新作『REFLECTION』リリースに合わせて、『~ジャパン』と『MUSICA』で同時に表紙を飾り、インタビューを受けるそうです 。

 13年のサマーソニックMr.Childrenが出演したとき、「ミスチル地蔵」という言葉が生まれました。Mr.Childrenが雑誌のインタビューを受けなかった時期にあたるので、ミスチルファンにMr.Children以外の音楽が届いていなかったのだと思います。

  来年以降、Mr.Childrenが再びロック・フェスに出演した時、観客がどういう反応をするのか?ミスチルファンは表紙を飾る『ロッキング・オン・ジャパン』『MUSICA』両誌を買うだろうから、その役割は大きいはずです。ミスチルファンをつなぎ止め、音楽ファンにさせることはできるのか?両編集部の判断を見守ります。