そのバンドTシャツ
毎週見ている『水曜日のダウンタウン』。
7月20日に放送されたスーパーササダンゴマシンによる前田日明滑舌悪い説(今号も『KAMINOGE』を買わなくては)や小峠と澤部に逆逆逆ドッキリを仕掛けた説も面白く拝見しました。
しかしながら、最近では7月6日に放送された「街でバンドT着てる人 そのバンドのイントロクイズに答えられなかったらTシャツ没収されても文句言えない説」が白眉でした。面白いのはもちろんですが、色々と考えさせられてしまいました。
前田日明のことはよく知らないけれど、持っているTシャツの大半がバンドTで毎日何らかのバンドのTシャツを着ている私は思い入れたっぷりに拝見できたわけです。
説のプレゼンターはスピードワゴン・小沢。
後輩芸人がクラッシュのTシャツを着ているのを見て「ジョー・ストラマーのどんなとこ好きなの?」と聞いたら「ジョー・ストラマーって誰ですか?」と返されたそうです。
検証VTRでは「バンドTシャツはファンアイテム」という前提が崩壊している現状を見せつけられる結果となりました。
説のとおりにスタッフが街頭に出てバンドTシャツを着ている人にインタビューしていきました。
1人目はニルヴァーナ「イン・ユーテロ」のジャケットが描かれたTシャツを着ている人。
「Smells Like Teen Spirit」を聴かせたところ「分からない」と答え、Tシャツにある「NIRVANA」を「ニラヴァーナ」と読む始末。
2人目はカート・コバーンの肖像がプリントされたTシャツ。地元のユニクロで買ったそうで、連れの彼女は「KURT COBAIN」を「クラット・コバイン」と読んでいました。
それ以降、アイアン・メイデン、オジー・オズボーン、エルビス・プレスリー、KISS、矢沢永吉、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ボブ・マーリーのTシャツを着ている人が映されましたが、イントロクイズに正解したのは51人中5人。正解率は1割でした。
その後、街でよく見かけるということで、「チェ・ゲバラ」Tシャツを着た4人を集め、ゲバラについてのクイズをだしていました。
回答者の一人広瀬さんは「Tシャツに描かれている人物の名前は?」という1問目に「チェゲベラ」と答えてしまい「もう帰っていいですか?」と早々に泣きの一声が出ました。
チェ・ゲバラのクイズに関しては「ゲバラの出身国」「ゲバラの亡くなった国」「戦場で虫除け効果のあるゲバラの愛用品」「ゲバラの愛用したカメラのメーカー」はなどの問題に全問正解した回答者がいて驚きました。
ゲバラはキューバで生まれてキューバでなくなったのかと思っていましたよ、私は。
最後に「チェゲベラ」広瀬さんの「一生このTシャツを着ることはないでしょうね」という一言でコーナーは終わりました。
検証結果は「自分のTシャツに何が書かれているかくらいは知っておいた方がいい」というもの。
この検証結果は何年か前に子ども番組に英語のスラングがプリントされたTシャツを着て出演した南流石さんに伝えたいものです、今さらですが。
前述の「クラット・コバイン」は、ユニクロのTシャツラインである「UT」のなかで「MUSIC ICON」として展開されていました。
ラインナップは「クラット・コバイン」の他にセックス・ピストルズ、レッド・ツェッペリン、ミスフィッツ、フー・ファイターズ、ケミカルブラザーズという錚々たるラインナップ。
これらが値下げ後ではあるが990円とか500円で売ってるんだから、そのバンドを知らずに買う人が出てくるのは仕方のないことです。
量販店で売っているバンドTといえば、THE STONE ROSESのTシャツがAvailという「しまむら」系列の量販店で売り出されたという情報を得たので買いに行きました。3種類が3色ずつで合計9着売られていたので、その中から4着を購入しました。
Availではストーン・ローゼズだけでなく、ビートルズのTシャツも売っていました。
「バンドTをバンドのライブに参加した証明やバンドが好きなことの表明として着る人」と「お店で売ってた中から選んだ人」の割合が1対9と大きく広がっていることを「水曜日のダウンタウン」は示しました。
「自分のバンドTはライブの物販で買ったものだ」と優越感に浸りがちですが、そもそも1割の少数派のなかでイキがっても仕方ないことです。
誰かとセンスを競うのではなく、好きだから着る。結局、ここに辿り着きました。
あと、私はチェ板尾のクリアファイルを愛用しています。