2016年のベスト・ドラマ
1『奇跡の人』
2『ちかえもん』
3『トットてれび』
4『重版出来!』
5『スニッファー』
ランク外『逃げるは恥だが役に立つ』、『ゆとりですがなにか』
『奇跡の人』は峯田和伸と麻生久美子の『色即ぜねれいしょん』コンビ再び!ということで下手なドラマにはならないと思っていましたが、予想を超えて良かったです。キャスト10人だけで回した小演劇のような座組みで、その10人が極めて優秀だったので、目を逸らすことができませんでした。とくに正志を演じた山内圭哉。朝ドラ『朝が来た』の大番頭が真面目で良い人で友近との淡い恋を楽しんでいたので、ギャップに悶えてしまいました。
松尾スズキさん主演の『ちかえもん』。江戸時代の劇作家を、松尾スズキさんが演じる。創作の苦悩を演じるのだから、松尾スズキさんは適役でした。
満島ひかりさんが黒柳徹子を演じた『トットてれび』。テレビ草創期の黒柳徹子の映像を見ると『トットてれび』での再現性の高さに驚きます。黒柳徹子の歴史はテレビの歴史になっていることは凄いことだし、黒柳徹子が今も現役であることは信じがたいことだけど、長生きすることで失ったものの寂しさを考えてしまいます。
『トットてれび』に登場した渥美清、坂本九、向田邦子、沢村貞子、そして森繁久彌。黒柳徹子と友情より深い関係を結んでいく人たちが描かれていますが、いずれも物故者となり、黒柳徹子は皆から別れを告げられています。
その後、主役だけが生き残るなんて、黒柳徹子の眩しさに翻弄されていまうけれど、黒柳徹子が主演でなければ、悪い夢のようなドラマ。
ベスト5本のうち4本がNHKのドラマってのは、なんなんでしょうか?「画面にヒビの入ったスマホは映せない」とか民放のドラマの規制や予算、人材不足が原因なのでしょうか?
そんななかで、フジテレビの『重版出来!』は安心して観れました。原作はいつのまにか若手マンガ家が成長していく話になったので巻を追うのが途絶えてしまいましたが、その手前までをドラマにまとめてありました。
黒木華がシャツの第1ボタンまで留めていて、田渕ひさ子さんの系譜に連なっていて好感を持ちました。
主人公の黒沢たちが毎回立ち寄る小料理屋「重版」の女将で「朝が来た」美和役の野々すみ花さん出てきて嬉しかったけど、役回りが「朝が来た」と同じだったのでキャスティングに捻りがありませんでした。出演は嬉しいけど、違う顔が観れなくて残念だったということです。
そんな『重版出来!』で効率重視の編集者を演じた安田顕が『スニッファー』最終回で演じた役にはガッカリしたし、井川遙の元旦那との繋がりも唐突であると思って興ざめしたので最終回はダメでした。
そのダメだった最終話を除く6話までは1話完結で解き明かす行程にワクワクしたし、トータス松本や劇団ひとりのキャスティングは嵌っていたし、連続して楽しめたドラマでしたよ、『スニッファー』は。
『逃げるは恥だが役にたつ』は妻が観てるのを横目で観たり観なかったりしたのでフルで観てませんし、『ゆとりですがなにか』は重くて録画したのを消化できてないんで、ランク外にしました。1クールに1本、見続けられるドラマがあると嬉しいです。