M-1グランプリ2017


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M―1グランプリ2017で私が良いと思ったコンビ

1位 天竺鼠(敗者復活戦)
2位 ジャルジャル
3位 ミキ(1本目/漢字)
4位 和牛(1本目/結婚式)

あとは、ハライチ、三四郎とろサーモンが良かったです。


審査員を務めた博多大吉さんが「ラジオクラウド」で語っていた審査の基準や裏話が興味深かったです。特に興味深かったのは以下の3点。

① ツカミ(最初の笑い)とオチ(最後の笑い)を重視にしている
② エントリー制限が10年から15年に拡大されたので差が付きにくくなった
③ ジャルジャルのネタはわからなかった

①について。以前「漫才の時の立ち方を教わって、今も実践している」とも言っていたから、博多大吉は、中川家銀シャリのような基本に忠実なタイプの漫才師であることがわかりました(Aマッソは立ち方を教わってほしい)。

②について。新卒22歳で入社したら10年経っても32歳で若手に扱われますが、15年経って37歳になると中堅扱いです。場数も踏んでるだろうし、バリエーションも増えるでしょう。平均点が高くなったなかで、調子か客層か審査員か何かと噛み合わなかったマジカルラブリーやカミナリが点を落とすのは仕方ないことです。

③について。ジャルジャルのネタ終わりで博多大吉は「もう一展開あると思っていた」と言っていました。大会時は「あのネタからもう一個要求するの?」と思っていましたが、「自分の予想した展開にならなかった」という意味であったようです。「良い子、良い子」で終わるのではなく、「ピンポンパン」をもう一回変えてオチにする、と思っていたと。自分の予想と違っていたため「わからなかった」と結論づけていました。

 

番組本番での決まった時間のなかで発する短いコメントで招いた誤解を解いたり、審査の基準を明らかにする意味で、聴きごたえのある内容でした。もう一展開のとこで博多大吉を嫌いになりかけたけど、基準をもって審査に臨んでいることがわかりました。

金髪豚野郎」が何で審査員になっているかの理由が見つけられないなかで、博多大吉は、新しいものに追い付けていないのかという不安はあれど、審査の公平性を担保する存在になっているので貴重な人材です。

各コンビについて語ったあとで、ネタ順に絡んで、笑いの神のいたずらめいたことについて語っていました。

とろサーモンと和牛は両方とも旅館のネタを持っていること、ネタ被りが吉本の社員のなかで話題になっていた。和牛については結婚式のネタが最高だったが、出番の早いとろサーモンが最初に旅館ネタをやったから、決勝用で考えていた結婚式を出さざるを得なかったのではないか。結婚式ネタが決勝だったら和牛が優勝していたのではないか。

 
博多大吉の審査基準は博多大吉の審査基準として興味深く思いながらも、お笑いの形態として「漫才」と「コント」がある以上、漫才をするのなら漫才でしかできないことをしているネタが好きです。

横山やすしダウンタウンの漫才について「チンピラの立ち話」と評したようですが、的確な評価だと思います。極論言うと、私が漫才に求めるのは「仲の良い2人の立ち話」です。

コントっぽくなるのではなく、2人の立ち話で終始する、そんなネタが見たいのです。立ち話で終わったネタのなかで、天竺鼠の数を数えているところ、ミキの漢字を紙に書かず伝えようとするところ、ジャルジャルのピンポンパンポーンというチャイムで遊んでいるところがハイライトでした。

立ち話じゃないネタとして、「自己紹介→発案→演じる→辞めて終わり」という流れに乗った漫才が多くありました。異性コンビ2人が宿泊で同室になった、コンパ、旅館、、、と設定は色々でしたが、コントに寄りすぎているネタが多かったように思います。

和牛の結婚式のネタについては、最初に新婦とウェディング・プランナーだった設定が、途中から新婦と新郎になる設定が新しく映ったようだけれど「予行演習→本番」という流れはバナナマンのコントにありました。
評価の低かったマヂカルラブリーはコントに寄りすぎてたからであって、コントとして作ればドランクドラゴンぽくなったのかなと思います。

立ち話じゃないネタとしては、いずれも敗者復活戦ですが、三四郎とハライチが良かったです。
ハライチの異星人ネタは、演じているけれど、漫才でしかできないことをやっていて楽しかったし、三四郎は、テレビで売れっ子になった小宮を茶化すという今でこその設定が楽しかったです。

敗者復活であがってきたスーパーマラドーナについては、合コンに行き馴れてなさそうなのがコンパの話を持ち出し、なおかつ「こんなのが来てぇ~」と女性を笑いの対象にしようとするのが受け付けなかった。一番腹立つのは、天竺鼠を超えて勝ち上がってきてこの出来かよ?というところ。

優勝した「とろサーモン」を最初に認識したのは、めちゃイケの「笑わず嫌い王決定戦」。他にどのコンビが出ていたのかは思い出せないけれど、とろサーモンのことは覚えています。その後、ラッパーになったりナレーターになったり「火花」に出たりして今に至っていますが、卑屈なまま売れていってほしい。

めちゃイケ」で見た当時は、村田が話をし久保田が茶化すが、それを無視したりあしらいながら話を続けるネタでした。現在の状況に合わせたネタになっていて良かったですが、かつてのパターンに沿わせたネタも見てみたくなります。

博多大吉の決勝での審査基準は「ツカミ(最初の笑い)の速さ」だったそうです。ツカミ基準なら、スタンドマイクを持って出てきた天竺鼠・川原が私にとってはぶっちぎりの優勝です。

天竺鼠は、マイク持ってきたところからはじまって谷折線、数を数える、来世の31歳、右肩メイン、「まぁこうやって夫婦でやってますとね」、「谷折ろうとすな!」、スタンドマイクを持ち帰ろうとして終わる。腹が爆発しました。
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