「フリースタイル・ダンジョン」モンスター抜かれまくり問題を考える。

9月18日放送回で3人に勝ったSIMON JAPが、翌週25日放送回で輪入道に勝ち、5人目、ラスボス・般若が登場しました。

peko(4th Season Rec3)、Lick-G(5th Season Rec1)、MCニガリa.k.a.赤い稲妻(5th Season Rec2)と3回続けてチャレンジャーを般若まで到達させしてしまい、続く5th Season Rec3では二代目モンスターへ気合いを入れに初代モンスターが登場しました。

二代目モンスターの新たな姿を見せるのが5th Season Rec4の位置づけだったはずです。

9月5日放送回こそ、ふぁんく、雄猿、SNAFKINと1回の放送で3人押し込むという省エネぶりを見せましたが、翌週登場したCIMAには3人抜かれた挙句に勝ち逃げをくらい、最後にSIMON JAPが登場しました。

最近の二代目モンスターの実力は、FORK、呂布カルマ輪入道がまぁまぁで、裂固がちょっと下、崇勲には迷いが見えて、ACEは客をつかめていない、というところです。

CIMAは、輪入道、ACE、呂布カルマを抜いたので、次にFORKが出ていれば止めることができたはずです。

SIMON JAPを止めに行ったのは、FORK、ACE、崇勲、輪入道

FORK倒して勢いづいたチャレンジャーを崇勲、ACEで抑えられる見込みはあったのだろうか?

初代はDOTAMAが戦略を考えていたということですが、二代目は同じようにしたくないらしく、戦略を立てず、誰が出るかも立候補制で、順番について譲り合っているように見えます。

1周り以上年下の若手が勝ち上がってきた時には分が悪い般若ですが、「世田谷の二個下」SIMON JAPを押し切り、クリティカルで防衛しました。

輪入道の「良かった~」のあと、FORKの「良くはない。良くはないけど」というやりとりが映されました。
「(負けなくて)良かった~」「(4人が抜かれたのだから)良くはない。良くはないけど(般若が負けなくて安堵した)」ということだと推測します。

般若が3連敗しなかったけれど、これで、初代モンスターを挟み、4回連続で般若まで到達してしまいました。

SIMON JAPに抜かれた4人が敗戦インタビューに答えていました。

FORK

悔しい。そこだけが今回の目的だったし、般若は絶対ださせないつもりでいた。実際、そういう結果になったわけだから、受け止めるしかない。俺が負けて乗せちゃった。さらに締め直さないといけない。

 

ACE
大きい責任があるな。「FORKさんが万が一行かれても俺100%止めるんで!」サクッと負けたのが余計乗せちゃった。チームとしては俺が一番機能出来てない。

 

崇勲
非常に重く受け止めております。「どうしたらいいかな」と迷いながら出て行っちゃった。何も出来ない普通以下のラップして帰ってきた。恥ずかしかった。

 

輪入道
またケツ拭いてもらってしまった。何やってんだろうな、俺は。あの場面は初代だったら4人目が死ぬ気で食い止めてた所。あのザマだったわけだから。結局般若さんにケツ拭いてもらって、ヘラヘラしてるわけだから。相当、どうにかせんとな。チャレンジャーが強かったっていうのもありますけど、「お客さんの空気が」「審査が」言い出せば色々言える。そっちのせいにしたくない。今の状態だと確実に自分が穴だった。他のメンバーに申し訳ない。

 

SIMON JAP戦を総括すれば、「呂布カルマは何で出てこない?」「FORKは締めすぎて、ちぎれちゃいそう」だとか、「ACEの止めるという自信はどこから沸くんだ?」とか言いたいことは色々あります。

崇勲が迷いながら出たって言うなら、DOTAMAのように戦略立てられる人が必要ってことだし、輪入道が言う「お客さんの空気」については、チャレンジャーに傾いた空気を変えるのがモンスターの仕事じゃないのか、と思ってしまう。


現状のまとめはこの辺にして、二代目モンスターの抜かれまくり問題についての対策を考えました。

1 モンスターを入れ替える

大関だって何場所も負け越せば陥落するんだから、なにか厳しい措置が必要に思う。


二代目モンスター、個々は総合力が高いけど、際立ったものをもつモンスターが少ないような気がする。崇勲にサ上のユーモアは引き継がれているが、T-Pablowのセルフ・ボースト、漢a.k.a.GAMIのイリーガルな雰囲気は二代目に引き継がれていない。

ユーモアのある崇勲は残す価値あるとしても、ACEはバッサリ変えてもいいだろうと思う。

とはいえ、ACE含めてBBQまでしちゃったし、ZeebraとACEはダンジョン開始時からの付き合いなので交代は実現性が薄い。

深刻な顔をしながら「負けても次があるからさ」と思っているモンスターはいないだろうか?「フリースタイル・ダンジョン」で負けても次があるって思ってしまうと、水面下でプロップスが低下し続け、今後どんなに素晴らしい音源をリリースしたとしても聞いてもらえなくなる。

とはいえ、2018年9月時点で、二代目になってからアルバムを出したのは呂布カルマと裂固だけだから、2人以外は「フリースタイル・ダンジョン」以降の身の振り方について何も考えていないらしい(その後、18年11月にFORKの所属するICE BAHNが「LEGACY」をリリースし、輪入道は19年3月にアルバムをリリース予定。崇勲、ACEは何をしてるの?)

モンスターをもう1人追加するとか、入れ替えるとかしないと、本当のところで違うギアには入らないんだろうなと思う。

現在のHIP HOPシーンは、バトルに出る人と出ない人の区別がはっきりしすぎていて、ある程度のプロップスがあって、モンスターを引き受けてくれそうな人材は見当たらない。

SKY-HI、PUNPEE、5lack、OMSB、JJJ、Kid Fresino、KOHH、KEIJU、Ryohuといったスター街道を進む面々は出てくれそうにない。

こういう面々より出てくれる可能性が高いのは、番組開始直後から出演が待ち望まれている鎮座DOPENESSだと思うんだけど、出ないんだろうな。

 

2 4人目を固定する
初代モンスターの時のR-指定のように、誰かが覚悟を決めて4人目を引き受けてほしい。

「チャレンジャーに傾いた空気を変える」という面ではFORK、輪入道より呂布カルマが4人目にふさわしいと考えます。

現状、1人目、2人目と早い順番で呂布カルマを見れる楽しさはあるけれど、「チャレンジャーに傾いた空気を変える」ためには、ある程度の温存なり引っ張りが必要になります。

呂布カルマはCIMA戦に出て負けたから、次のSIMON JAP戦では引っ込んでいたのでしょうけど、CIMAとFORKなら、SIMON JAPと呂布カルマなら、どっちもモンスターに軍配が上がったように思います。

SIMON JAPは「フリースタイル・ダンジョン」に短期間で何回も出ているので、勝ち上がって会場が沸いたわけではなく、ライミングの聞き取りやすさや、内容に齟齬がなかったためだろうと感じます。だからこそ、呂布カルマが4人目だったら、、、と考えてしまいます。

 

3 戦略が必要(ついでに、二代目モンスターの弱み)
Abema TVで放送された初代モンスターを迎えた5th Season Rec3完全版の冒頭、二代目モンスターが決起集会を開いた模様が放送されました。

ACEの「初代モンスターはDOTAMAが相手の分析を行い、チームで戦っていた」という話を受け、崇勲が「東西!口迫歌合戦(16年12月31日放送)」の前にDOTAMAからHIDADDY対策のメールが来たけれど、それを無視して臨んで勝った、という話をしていました。

二代目モンスターにはまだお互いに対する遠慮があり、互いに助言したり、誰かがリーダーシップを発揮することがないように見えます。
だから崇勲は「SLUM DUNK」の谷沢のように、何の策もないままステージに上がることになってしまったのでしょう。

ディスが効かないという触れ込みで登場した崇勲が般若まで到達できたのは、後攻を選べるチャレンジャーという立場だったからなのでしょうか?チャレンジャーに後攻を選ばれ、先に何かを言わなければいけないモンスターという立場にまだ迷いがあるように思います。

弱みついでに言うと、ACEの弱みはCIMAの言った「クソセルアウト野郎」がドンピシャです。「全力!脱力タイムズ」で料理のラップするならバトルは引退した方がいいように思うんだけど、子供産まれたらしいから目先の稼ぎに飛びついてしまうんだろうな。

CIMAから「かわいいい少年」と言われてしまった裂固は、良い人すぎます。押韻が堅いのはいいんだけど、それは基礎であって、観客を沸かすためのパンチラインが足りていません。T-Pablowのように「若いのに凄いんだぞ」というセルフ・ボーストもなく、「何を言うんだ?」ということが、現状では全く期待されていません。

輪入道は、「青筋立てて早口」以外のことをしているだろうか?ガルフィー着てT-Pablowを驚かせたところにヒントがある気がする。

FORK、呂布カルマは二代目になって以降、宇多田ヒカルネタを入れてきたり、押韻に力を入れたりといった変化が見られるので、注文はありませんし、引き続き肩入れしていきます。

ただ、バトルには相性があるし、それ以上に「フリースタイル・ダンジョン」では空気づくりや空気を変えることが重要だから、そこへの対策をしてほしいです。

抜かれまくり問題は解決するのでしょうか?

 

 

 

19年2月からはじまった「Season5 Rec8」について書きました

tabun-hayai.hatenablog.com