全歌詞集「Your Song」を買ったので、Mr.Childrenの歌詞に登場する人物と作品の抜き出しました。
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○チャック・ベリー / CHILDREN'S WORLD
ギター弾くのが上手いんだ
それはまるで チャック・ベリーのように
○ボブ・マーリー / メインストリートに行こう
流れてるラジオに合わせ 口ずさむよ“BOB MARLEY"
□「気狂いピエロ」 / 蜃気楼
心の何処かに 今でも潜んでいる
“気狂いピエロ”が
監督:ジャン・リュック・ゴダール
□「狂った果実」/ 蜃気楼
心の何処かに 今でも潜んでいる
“狂った果実”が
□「Ticket To Ride」 / CROSS ROAD
口ずさむ
「ticket to ride」 あきれるくらい君へのメロディ
The Beatlesの楽曲で、邦題は「涙の乗車券」
□ドラえもん / フラジャイル
何はともあれ 人間関係はつらいや
無理とは知れど ドラえもんが欲しいな
○おりも政夫 / デルモ
水泳大会のおりも政夫
「おりも政夫は出場してた方じゃなく、オールスター紅白水泳大会の司会をしていたのをテレビで見ていた」というようなことをリリース当時に出演していたラジオで言っていた。
○宮沢賢治 / タイムマシーンに乗って
前略 宮沢賢治様
僕はいつでも 理想と現実があべこべです
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」
優しく強く 無欲な男
「ソウイウモノ」を目指してたのに
○ルイ・アームストロング / タイムマシーンに乗って
前略 ルイ・アームストロング様
次の世代にも しゃがれた声で歌ってやってくれ
心を込めて「ワンダフルワールド」
宮沢賢治、ルイ・アームストロングを歌詞に盛り込んだ理由について「BOLERO」リリース時のラジオでコメントしていました。
宮沢賢治は1996年8月27日が生誕100年で、同じく96年6月27日に日本で公開された映画「12モンキーズ」の挿入歌がルイ・アームストロング「What A Wonderful World」だったためとのことです。
96年6月、8月の出来事が97年3月発売の「BOLERO」収録の楽曲に反映されています。
○ミシェル・ファイファー / #2601
ミシェル・ファイファーの唇が好き ドレスから覗く鎖骨も好き
□「恋の行方」 / #2601
ミシェル・ファイファーの唇が好き
「恋の行方」見てはしごいて いやはやしごいて
90年公開の映画「恋のゆくえ」の主演女優がミシェル・ファイファー
○手塚治虫 / Everything is made from a dream
手塚マンガの未来都市の実写版みたいな街だ
○ブルース・リー、ジョン・レノン / Everything is made from a dream
□「ショーシャンクの空に」 / one two three
ビデオに撮った「ショーシャンクの空に」見てからは
もっと もっと 確信に近いな
暗闇で振り回す両手もやがて上昇気流を生むんだ
□ウルトラマン / ファスナー
きっと ウルトラマンのそれのように
君の背中にもファスナーが付いていて
□仮面ライダー / ファスナー
きっと 仮面ライダーのそれのように
僕の背中にもファスナーが付いていて
○中田英寿 / LOVEはじめました
殺人現場にやじうま達が暇潰しで群がる
中高生達が携帯片手にカメラに向かってピースサインを送る
犯人はともかく まずはお前らが死刑になりゃいいんだ
でも このあとニュースで中田のインタビューがあるから
それ見てから考えるとしようか
ライブで演奏するときは「中田」の部分が「香川」になったりしているらしい。
○レオナルド・ディカプリオ / タガタメ 、 タダダキアッテ
ディカプリオの出世作なら さっき僕が録画しておいたから
もう少し話をしよう 眠ってしまうにはまだ早いだろう
「ディカプリオの出世作」とは「ギルバート・グレイプ」のこと。
○みのもんた / 跳べ
みのもんた司会の「午後は○○おもいッきりテレビ」(~07年)で紹介された健康に良いとされる食品は品切れになることが多かった。
□「ファイト・クラブ」、ブラッド・ピット / FIGHT CLUB
99年 ミレニアムを間近にしてナチュラルハイ
世界中が浮足立ってた
そしてお前は 「ファイト・クラブ」でブラピが熱演してた
イカレた野郎に憧れてた
「ファイト・クラブ」は99年公開。
□ベートーベン、「運命」 / 運命
招かざる客で当面 構いはしないけど
いつの日か君のベートーベン「運命」奏でよう
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フランス96年に核実験(「クストー計画」地下核実験)をすれば「あのニュースキャスターが人類を代弁して喋る/“また核実験をするなんて一体どういうつもり”」(マシンガンをぶっ放せ)と歌い、95年に大阪でセアカコケグモが見つかれば「毒蜘蛛も犬も乳飲み子も共存すべきだよと言って」(マシンガンをぶっ放せ)と盛り込む。
私がはじめてミスチルのCDを買ったのは、95年「シーソーゲーム」。時事ネタを取り込むところにミスチルに魅かれていたわけですが、94年「Atomic Heart」リリースから97年「BORELO」までの2年半をまとめると、それは当時のミスチルの稼働具合によるものだとわかります。
94年09月01日 アルバム:Atomic Heart
94年11月10日 シングル:Tomorrow never knows
94年12月12日 シングル:everybody goes-秩序のない現代にドロップキック-
95年01月07日 ツアー:Mr.Children '95 Tour Atomic Heart(10会場21公演/2月20日まで)
95年01月23日 シングル:奇跡の地球(桑田佳祐&Mr.Children)
95年05月10日 シングル:【es】 〜Theme of es〜
95年06月03日 映画:「【es】 Mr.Children in FILM」公開
95年07月16日 ツアー:Mr.Children STADIUM TOUR -Hounen Mansaku- 夏祭り1995 空[ku:](11会場17公演/9月10日まで)
95年08月10日 シングル:シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
96年02月05日 シングル:名もなき詩
96年04月10日 シングル:花 -Mémento-Mori-
96年06月24日 アルバム:深海
96年08月08日 シングル:マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-
96年08月24日 ツアー:Mr.Children TOUR REGRESS OR PROGRESS '96〜'97(12会場55公演/97年2月16日まで)
97年02月05日 シングル:Everything (It's you)
97年03月05日 アルバム:BOLERO
これ以外にも音楽誌の取材やテレビ収録(Mステ、HEY!HEY!HEY!、FAN、、、)、ラジオ収録(MUSIC SQUARE、、、)が挟み込まれているわけです。
リリースのスケジュールが決まっていて、この頃20代半ばで社会のことにも目を向け始めたとなれば時事ネタが取り入れられることも納得できます。
そして、私はこういうミスチルが好きになったので、リリース間隔あいたからか、50歳に近くなったからか、誰にもに当てはまる歌詞を書こうとしているからか、理由はわからないですが、最近のミスチルの歌詞からは固有名詞が消えました。それに伴い、アルバムは発売日に買えど聴き込むことはなったし、歌詞をノートに書き写すこともしなくなりました。深海からHOMEくらいまでは全部歌えるのに、最近では、、、。
とはいえ、新作「重力と呼吸」はCDプレーヤーでかけっぱなしにする分には良いアルバムだと思いました。
追伸。
「重力と呼吸」もSpotifyに入れてください。
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YAHOO !で公開されたインタビューで「重力と呼吸」の歌詞について語っていました。
ソングライターとしての桜井は、今の時代をどう見ているのだろうか。
「今はたいがいのものがネットを通じて音と視覚で入ってくる。自分自身が、言葉だけを見て、何かを想像したりイメージしたりする力が落ちてきてるなって感じています。だから、リスナーもそうなんだろうと思うんですね」
それに伴って歌詞の書き方も変わってきた。「重力と呼吸」では、生きるとは、自分とはという大きなメッセージは影を潜め、ごく身近で具体的な景色を歌う歌が目立つ。
「リスナーの想像力をあまり信用していないっていうか、もうきっとここまでのことを深く掘り下げて書いても理解しないだろうな、ただ通り過ぎていかれるだろうなっていうのがあるんです。だから、意図的に淡泊に言葉を書いているところはあります」
その判断もわかるけれど、時代のカウンターとしては機能しないんじゃないかと考える。物足りない!