高橋ユキ「逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白」を読んで考えたこと

 

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今回のエントリには「読んで考えたこと」とつけました。

読んだ本についてブログで書くときは、感想や考えたことを書いています。それは当たり前の話なのだけれども、もう少し言葉を足すなら、その本に内容に沿い、書かれていることから自分の琴線に触れたことを抽出しているというイメージです。

本書「逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白」は、松山刑務所逃走犯、富田林署逃走犯、「ゴールデンカムイ」の白石由竹のモデルである白鳥由栄、そしてカルロス・ゴーンなど保釈中の逃走について章立てられています。

保釈中の逃走は保釈保証金を没収されるだけで、保釈中の逃走自体は罪刑が規定されていないといった、保釈をめぐる現状を書きながら、保釈にも日本の文化が反映されており、監視社会やリスクに対して考える必要があるなどの問題提起が行われています。

私が本書を読みながら考えたのは「どうして逃走犯を捕まえられなかったのか?」と「失敗やミス、間違いを防ぐにはどうすれば良いのか?」ということ。

富田林署逃走犯の場合、逃走劇は富田林署の面会室にある面会終了を告げるブザーが1年以上前から電池が切れていたことからはじまっています。

また、逃走中に何度も職務質問をされていたと書かれています。

ブザーの電池が切れた面会室、写真と見比べない職務質問、サイクルツーリズムのメッカを選んだ逃走経路。これを運が良かったから、と片付けることはできません。

野村克也の言葉に「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」があります。つまり、失敗やミスの原因を辿れば何かしらの原因に行き当たるということです。

自分の仕事や安倍晋三の暗殺もそうですが、準備や点検を行っていても、何重にも重ねた網の目の隙間をスルスルとかいくぐり、ミスや失敗が起きてしまいます。

本書から得たヒントは「自分事として考える」「基本に忠実に行う」「過去を信用しない」などでしょうか。

「失敗を繰り返さない」は必須ですが、そもそも失敗しないで済めばその方が良いわけで、失敗しないためには何をすれば良いのかを今後も考えていきたいです。

今まで意識してこなかったけれど、失敗しないために読書を続けている面もあると思うので、これからも読書をしながら考え続けたい。