「POPEYE 18年5月号」と「UOMO 18年6月号」

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着ているTシャツとパーカーはバンドTか海外ミュージシャンのマーチ(MERCH)ばかりの私ですが、4月はファッション誌を2冊買いました。

1冊は普段からよく買っている「POPEYE 5月号」で、もう1冊は「A.P.C.」のネックウォレット目当てで買った「UOMO 6月号」です。

「POPEYE」の表紙には「Magazine for City Boys」とあり、「20歳のころ」という特集が過去に2回組まれてもいるので、20歳前後に向けられています。
「UOMO 6月号」の特集タイトルが「40歳男子へ、夏までに40の宿題」であることから、読者層は40歳前後と想定できます。「UOMO」を発行している集英社のメンズ・ファッション誌は他に「MEN'S NON-NO」があります。最新号の表紙はすだまさきなので、「UOMO」読者より若く20代向けなのでしょう。

付録目当てとはいえ、ターゲットとする年代の違うファッション誌を読むことで両者の共通点と違いに気づけました。


共通点として、伊丹十三と山本康一郎が両誌に登場していました。この2名が両誌のメンターになっているようです。

・ 伊丹十三
「POPEYE 6月号」の特集「ニューヨーク退屈日記」は伊丹十三「ヨーロッパ退屈日記」を捩(もじ)ったタイトルです。
タイトルにオマージュをささげるにとどまらず、松家仁之周防正行cero荒内佑、大根仁の寄稿による6ページの小特集が組まれていました。
一方「UOMO」では、「伊丹十三をお洒落の教科書として読み直す」として「40の宿題」の1つに挙げられていました。寄稿者は大住憲生(不勉強ながら知りませんでした。誰?)。
「UOMO」の方には「読み直す」とあるから、「POPEYE」読者が成長すると「UOMO」の読者になるのでしょうか。

・ 山本康一郎
 スタイリストで知られ、宇野薫のセコンドとして「KAMINOGE」に登場したことがあり、「40の宿題」の一つである「スタイリスト私物」を手がける山本康一郎が、両誌に対談を連載していました。
「POPEYE」の連載は「おとなのせなか」というタイトルで、コラムページの片隅が定位置になっています。分量が600字と短すぎる対談です。

「UOMO」の方のタイトルは「雑談」。6月号の対談相手は今宿麻美です。右ページが対談、左ページが写真という2ページの構成。


「POPEYE」と「UOMO」の比較で最も重要だと考えるのは、イラストです。

「UOMO」でイラストの使われているページ数と「POPEYE」でイラストの使われていないページ数がイコールになると言えば分りやすいでしょうか。このくらい両者は異なります。

こういう印象だったのですが、「UOMO」を実際に確認したらイラストあるページは、「編集後記」と「速水健朗さんと武田砂鉄による時事連載」の計3ページでした。

雑誌の誌面に著名人が登場する場合、ある程度の長さがあるインタビューなら誌面のために撮影された写真が使われます。しかし、短いインタビューや短いコラムの場合は宣材写真をトリミングしたり白黒などに加工したりしたものが使われることがほとんどです。
「UOMO」でもカルチャーページの写真はアー写のトリミングで、「買い物学習帳」というカタログ企画で物を紹介する、肩書きがカタカナの人(スタイリスト、ディレクター、プレス、コンセプター、、、)の写真は白黒かつ粗く加工した写真でした。
しかし「POPEYE」は違います。表紙だけでなく、特集のあちこち、前述した伊丹十三の小特集内のコラムにもcero荒内と大根仁松家仁之の似顔絵が載り、連載の筆者紹介も似顔絵のイラストで行われています。

「POPEYE」は12年6月号でリニューアルされました。それ以前の「POPEYE」は「MEN'S NON-NO」同様に旬のタレントが表紙を飾り、タレントが誌面に多く登場していました。
イラストを使うことで、タレントを表紙にする他ジャンル含めた雑誌との差別化を図るだけでなく、長場雄などの新進を起用し売れっ子への手助けをしてきました。

お金が無限にあれば「UOMO」に載ってるの端から買っていけるんだけど、そうではないなかで「POPEYE」のお金あっても内面がダサけりゃ意味ないという雰囲気に、年齢が「UOMO」寄りになっていくなかでも、勇気づけられてきました。

リニューアルから5年が経過し、編集部の集合写真掲載とともに編集長の交代が記されていました。編集長の交代にあわせ、前述の山本康一郎だけでなく、やけのはら、田原総一郎、岡宗秀吾、大久保佳代子、堀道広、「ブロンソンに聞け(みうらじゅん田口トモロヲ峯田和伸横山剣、中村ヒロキの連載も軒並み終了していました。

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5月9日発売の6月号は特集が「ぼくの好きな音楽」ということなので特集目当てで買うけれど、連載含めた誌面がどう変わったのかが気になっています。

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