あかり、育つ(17年6月12日~)
6月12日(月)「住居のことと趣味の時間のこと」
「あかり」が産まれ、色々決めなきゃいけない事柄が出てきました。ちゃんと考えてこなかったってことでもあるんだけど。
最初に出てきたのは「どこで生活するのか」という問題。
子育てをするにあたっては理想的な環境が用意されることはなく、現実にある環境の中から選ばなくてはいけません。
子育てに限らず、何事にもいえることです。
与えられた選択肢はアパート、私の実家、妻の実家の3つ。それぞれに不満な点は大いにあるのですが、この中から選ばなくてはいけません。
ベストである4つ目の選択肢はありません。3つのなかからベターなものを選ぶのです。
(1)アパート
日中は私が仕事で不在となるため、妻のみが「あかり」をみなくてはいけない。搾乳時、トイレに行きたい時、調理はどうすればいいのか?
(2)私の実家
ネジが100本外れた高圧的な母親とその家来&伝書鳩である父親はいるが、祖母が頼りになる。
(3)妻の実家
日中はネジの外れた妻の父がいるのみで、子育ての戦力としては期待できない。夕方に妻の母は帰宅するが、日中の状況はアパートとほぼほぼ同一。
両親の在宅時は一定のストレスを与えられることを考慮しなくてはいけないが、日中の戦力として祖母が計算できたので、私の実家で過ごすことになりました。
2つめが「趣味の時間が確保できない」という問題。
「あかり」ができると飲み会への出席率が低くなったり、趣味から離れていくという話を聞いたことがあります。
金銭的な理由から趣味や飲み会にお金を回せなくなったという意味かと思っていましたが、違いました。
今のところ「あかり」を優先してしまう理由として、「かわいくていつまでも見ていられるからカルチャーに触れている時間がない」と「あやしている間はつきっきりになる」「抱いているとスマホの操作くらいしかできない」「睡眠時間が細切れになるから常に眠気がある」などの理由が挙げられます。
新生児は「寝る」「食事(授乳)」を繰り返すだけだと踏んでましたが、「ぐずつく」という3つ目の行動もあるのだと分かりました。
「泣く」は「オムツ交換」「空腹」の合図なので、ここでは除外します。
理由のわかる「泣く」と違い、「ぐずつく」には明確な理由がありません。昼間多く寝たからなのかもしれないし、霊的なものを感じているのかもしれません。
ぐずついている間、目を開けている間は付きっきりになるので、カルチャーに触れることはしていません。音楽流すくらいはできそうだけど、まだ環境が整っていないので保留中です。
妻に任せればとも思うのですが、妻は妻で搾乳やミルクの準備、洗濯などをしています。
6月14日(水)「妻への告知」
前日、妻のところに病院の医師から電話がある。話があるから旦那にも同席してもらうように、という内容。
何かの告知をされるシチュエーションみたいだなと思ったら、本当に告知であった。
定期検診の時に心電図を見ると胎児に元気のないような兆候があったので、様子を確認して必要なら何らかの処置をするために予定日より20日早いけど帝王切開して出すことになりました。
出産して胎児を検査すると、胎盤から栄養が胎児に伝わっていなかったようで、ヘモグロビンの数値が極端に下がってたことが判明しました。
転倒したことはあるか?とも聞かれましたが、そのようなことはなかったので、何らかの異常があったんだなぁ、ということで話は終わったのかと思っていました。
終わったものと思っていたら、終わっていませんでした。
胎盤を検査機関に出して調べたところ悪性腫瘍が見つかった。絨毛がんといわれるもの。がん、、、。
胎盤と胎児をつなぐところに絨毛細胞があって、出産後に子宮周辺に絨毛がんの出来ることはあるが、妊娠中の胎盤にできるのは珍しい事であるそうです。
出産により胎盤を摘出してあるが、転移の可能性があるのでMRI、CTを使った検査をすることが告げられました。
「出産は簡単じゃない」を妻の妊娠前から何回も思ってきたけれども、改めてそう思うことになりました。
6月15日(木)「検査1日め」
午後に休みをとって家に戻り、妻と子を載せて病院へ行く。
検査は妻のみであるが、新生児を他の家族に任せることへの踏ん切りがお互いにできなかったので、子を連れて病院へ行く。
妻がMRIかCTに行っている間、通路に置かれたテーブルで待つ。
誰かの読み終えた読売新聞があった。ジャイアンツが継投でノーヒットノーランという記事くらいしか覚えていない。読売広告賞が発表されていたので、その部分だけ抜き取る。
GINZAとかマンガとか文庫本も鞄に入れてあったが、子供を抱えながら読むことはできなかった。
「あかり」のかわいいことが救いである。
6月16日(金)「検査2日め」
午前に休みをとり、妻と子を載せて病院へ行く。
妻がMRIかCTに行っている間、通路に置かれたテーブルで待つ。
「週刊文春」で連載されている水道橋博士「藝人春秋 Diary」。言いかえた部分を「""」で括っているんだけれど、水道橋博士のドヤ顏が透けて見えるのがイライラする。
オムツをそろそろ買い足さなくてはと妻が言う。66枚入りであっても1日8枚使うから8日で終わってしまうことに気づき軽く驚く。66枚で1,100円くらいなので、驚きは軽く済んだ。
育児を扱った漫画やエッセイは数多いが、現在進行形の小山健『おとうさんクエスト」が過去の名作に引けを取らないほどに面白い。
6月17日(土)
午後は仕事。
6月18日(日)
午前中は消防団の作業。
11時ころに終わったので、もろもろの用事を済ませる。
具体的には、消防団の支払い、共用である郵便局の口座への入金、父の日用のコーヒーの購入、新聞の購入(日曜日は書評欄が日経以外の各紙に掲載される)、アパートの片づけ(妻が友人を招けるように)。
アパートの片づけは、本や雑誌をダンボールに詰めて車に積むくらいが精一杯であり掃除機をかけるまではいかなかったが、それは妻が自分でやってください。
午後2時ころ、妻の両親が来る。
あいかわらず、妻の父親は声がでかい。