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宇田智子『本屋になりたい -この島の本を売る‐』

 書店のポップから『白い犬とワルツを』のようにベストセラーが出たり、本屋大賞ができたりことにより書店員に注目が集まりました。雑誌に書店員が本の紹介をすることは今や常態化しています。

 平安堂書店長野店の店員が「週刊現代」の書評欄に月1で寄稿していたけれど、あんなに使い勝手の悪い本屋の書店員を起用するなんてたいしたことないなと思った覚えがあります。

 平安堂書店長野店は雑居ビルの2階から4階にかけての3フロアで構成されています。ジュンク堂書店のように一括レジを採用して欲しいのですが、各階にレジがあるので不要なビニール袋がいくつも溜まっていきます。袋は不要と言えば、マニュアル重視の店員が不思議そうな間を作るので、なかなか言えずにいます。

 

 雑誌に連載を持つレベルの書店員は何人も出ていますが、筆頭は佐藤純子さんと宇田智子さんです。両者ともジュンク堂書店の出身ですが、時期を前後して退社されています。

  先日行った「あゆみブックス」仙台店で佐藤ジュンコさんの新刊『佐藤ジュンコのひとり飯な日々』(ミシマ社)を買いました。佐藤純子さんは14年4月にジュンク堂書店仙台ロフト店を退社し、現在の肩書はイラストレーターとなっていました。『仙台文庫別冊 月刊佐藤純子』は品切れになっていると知り、買っておいて良かったと安堵しました。

 

   宇田智子さんの経歴は、「02年にジュンク堂書店に入社、 池袋本店で人文書を担当。09年、那覇店開店に伴い沖縄に異動。11年7月に退職し、同年11月、那覇市第一牧志公設市場の向かいに「市場の古本屋ウララ」を開店する」というものです。

 講談社のPR誌「本」の表紙裏で1ページのエッセイを連載していて、入手するたびに読んでいます。

 高野文子さんの情報を調べていたら、宇田智子さんの著書『本屋になりたい -この島の本を売る‐』(ちくまプリマ―新書)に挿絵を寄せていることを知り、さっそく読みました。

 

 会社勤め経験のない若者が自分の好きな本に囲まれたくて開業した古本屋と「市場の古本屋ウララ」は全く違います。

 

 沖縄の支店を希望した理由を宇田さんは以下のように綴っています。

 「東京ではどの書店にも同じ本が並び、同じ本が売れているように見えて、当時の私は物足りなさを感じていました。そこで出会った沖縄の本はひときわ魅力的に見えたのです。沖縄の本を沖縄で売ったら面白いだろうな、と憧れて、那覇に支店ができるときに異動を希望しました」

 

 沖縄には本土とは異なる独自の歴史があること、本土で出された本が沖縄の生活に合わないこと、本土から本を仕入れるには流通のコストがかかることから、買うより出版したほうが早いということになり、沖縄県内で出版された本が沖縄県内で流通されているそうです。

 

 沖縄県産本は本土での流通量が少ないので、お土産として沖縄県産本を買っていく人の需要を見込み、市場の古本屋を引き継ぐことにしたそうです。

 

 その試みは成功しているのでしょう。12年3月に発行された『ビームスの沖縄。 GUIDE BOOK for HAPPY TRAVELLER』というガイドブックには手打ちそば屋やラフテーの旨い精肉店と並列に紹介されています。

 

 『佐藤ジュンコのひとり飯な日々』は「コーヒーと一冊」という書店買い切りにより利益を上げることを狙いとしたシリーズのため、ブログに取扱い店舗の一覧が載っています。一覧の一番下には「市場の古本屋ウララ」。