ステッカーの使い道

 CDを買うと封入特典や店舗購入特典としてステッカーが手に入ります。

 手に入ると嬉しいし、ステッカーもらえるからダウンロードではなくCD買うし、ネットだと特典終了するから店舗まで足を運んでCDを買います。

  ですが、もらったステッカーの使いみちが分かりません。

 ステッカーを何枚も貼ったノートパソコンを見かけることはあるけれど、自分では昔買ったマックブックにTHE MUSICとRAVENのバンド・ステッカーを貼ったきりです。

 自宅使うパソコンを持ってないので、最近はノートに貼るくらいです。ノートに貼るといっても1冊につき2枚か3枚しか貼らないし、そもそもなかなかノートを使いきれないでいます。 

 ネットで「ステッカー 使いみち」と検索するとマックに貼ってるか、使い道がなくて溜まったステッカーを並べただけのブログにつきあたります。

 どんどん溜まるステッカーの使いみちについて考えていたところ、昔読んだ1冊の本にステッカーのことが書いてあったのを思い出しました。

 その本とは、スチャダラパーBOSE『明日に向かって捨てろ!!‐BOSEの脱アーカイブ宣言‐』(双葉社/08年12月)

 12年7月にファンタジスタさくらださんと結婚されてからのことは知りませんが、03年から08年にかけて「ほぼ日刊イトイ新聞」に断続的に登場していたころのBOSEさんは物を捨てられない人でした。物を捨てられないBOSEさんの家にお邪魔して、1個ずつ捨てる捨てないを悩み、その物について考える連載でした。

 私は1冊にまとまってから知ったのですが、今もアーカイブが「ほぼ日」に残されています。

  連載第49回(05年8月4日)のタイトルが「供給過多のステッカー」。 

 BOSEさんはステッカーについては取り上げたかを聞き、ステッカーの貼られた箱を出してきます。

 靴かプラモデルの箱には薄いステッカーが何枚もびっしりと収まっています。

 これを見た聞き手の永田さん(ほぼ日)と早速こんなやり取り。 

 ── また不毛なことを訊くけどもさ。これ‥‥どうするの?

ボーズ どうするんだろうね?

 どうするの?と聞かれて、BOSE子供のころにあったシールを貼ってもいいタンスや冷蔵庫の代わりとして、「ステッカーを入れてある箱には、ステッカーを貼ってもいい」という流儀を紹介します。

 その後、ステッカーの使い道の話に戻りますが、画期的な解決策は出てきません。 

── はははは‥‥また質問していい?ステッカーは、ステッカーの箱に貼る以外に使い道はあるんですか?

ボーズ あんまりないんですよね、これがね。

── あはははははは。

ボーズ でもさあ、みんな、あるでしょ?貼らないけど、ステッカー、意外にどっかに溜めて持ってるでしょ?

── ああ、うん。そうかも。こんなおっきな箱じゃないにせよ。

ボーズ うん。引き出しの奥とか、封筒のなかとか。

── いらない缶ペンのなかみたいなところに。

ボーズ うんうん。もらうじゃん、ステッカー。

なんかしらないけど、みんな作るし。だけど、貼るとこ、ないじゃん。

── 貼るとこないよね、たしかに。

ボーズ ないんだよ。あんまり。

   画期的なステッカーの使いみちはなく、盛り上がりのないまま、なぜステッカーが溜まるのか?という問いに辿り着きます。

ボーズ ていうかねえ、貼れないんだよ、ほんと。オトナになればなるほど貼れない。でもステッカーをもらう機会は増えるんだよ。

 ── ステッカーの需要と供給が合ってない、と。

ボーズ それだ。まさに。

── ちょっと待って。ステッカーって、なんのためにあるんだ?

ボーズ あ、来た。またしても哲学的な問題に突き当たった。

── はい。こんなに哲学的なコーナーなのに、そういう感想はまったく寄せられません。

ボーズ 「ステッカーはなんのためにあるのか?」

── 力説すればするほどバカバカしい。

ボーズ ていうか、もう、最近はほんと、チラシのかわりだったりするよね。

── ああ、そうかそうか。

ボーズ 「これどうぞ」みたいな感じで。ただチラシあげるより、ステッカーのほうがうれしい、みたいな。

── うん。もらった瞬間はね。あ、もらった瞬間うれしければ、貼らなくてもいいんだ。

ボーズ そう。そういうことじゃないの?「これ、ステッカーなんですよ」「じゃあもらっとくか」って。そういうもんなんだよ、いまのステッカーって。

── なるほどね。ってことはさ、ステッカーってさ、なんか、安易なんじゃない?手法として。

ボーズ はははははは、そうね。「ステッカーなら、まあいいか」っていう。

── つくる側の意識がそんな感じでしょ。

ボーズ そうだね。「ステッカーにできるらしいよ」「じゃあしとくか」みたいなことかもね。

── 「これ、ステッカーに加工できますけど、しますか?しませんか?」って言われたら‥‥。

ボーズ 「せっかくだからやっとこうか」っていう。

── その、安易な、「消費なき濫造」のしわ寄せが。

ボーズ まさにこの箱のなかに!

 2枚持っているステッカーはBOSEさんのように箱に貼れますが、1枚しかないステッカーは容易に貼ることができません。クリアファイルは、仕事が事務なので多用していますが、ステッカーは溜まっていく一方です。

 名案はないので、今後も溜まっていくのでしょう。