たなか亜希夫「リバーエンド・カフェ」
もともと1年に1冊のペースでしか単行本が刊行されなかった「リバースエッジ大川端探偵社」。原作者の逝去に伴い、いよいよ新刊の出版が不透明になった日々を過ごしていたところ、「リバーエンド・カフェ」という新刊を手にしました。
作者は「リバースエッジ大川端探偵社」の作画を担当していた、たなか亜希夫。
「リバーエンド・カフェ」を読むと、先行作である「リバースエッジ大川端探偵社」との共通点や変化に気づきます。
30後半~40前半くらいの男とギャル(女子高生)という関係性や不思議な謎解きは共通しています。
タイトルが「リバースエッジ(川の端)」から「リバーエンド(河の終わり)」に変わり、拠点が探偵社からカフェに変わり、主人公が探偵から女子高生に変わりました。
「リバースエッジ大川端探偵社」は依頼人が訪ねてくるところから始まり、「リバーエンド・カフェ」は客が喫茶店「リバーエンド・カフェ」に来訪するところから始まります。
「リバースエッジ大川端探偵社」は客の依頼を解決していましたが、「リバーエンド・カフェ」の場合、店主と主人公が客の人生に関わらないこともあります。
「リバースエッジ大川端探偵社」はどのエピソードも1話完結であったため、起承転結でいえば「転」がなく、「起承結」で終わっていました。主人公・村木が敏腕だからあっさり解決するんだと納得させようとしても、探偵としての活躍が少なく、次第に影が薄くなっていきました。
「リバーエンド・カフェ」はエピソードのスケール感によりページ数が多く割かれるため、物語も大きく動いていきます。
「リバーエンド・カフェ」の主人公・入江サキは、高校で陰湿なイジメにあい、震災で両親を亡くし(作品の舞台は現在の石巻)、PTSDを抱え、両親の死去による保険金を情夫に渡す叔母と生活しています。
喫茶店の店主との出会いによりサキの生活に張りが生まれていきますが、高校でのイジメ、PTSDが解決するまでには時間がかかりそうです。
ひじかた憂峰のハード・ボイルド感と、たなか亜希夫のエモーショナルが融合した「リバーエンド・カフェ」が傑作になっていくことを期待しています。
傑作と認定されたり、ランキングに入ったりしなくとも、現時点ですげー面白いから、巻数を重ねる前に読むことをお薦めします。
余談ですが、主人公サキの通学カバンには「BECK」に登場した継ぎ接ぎの犬・ベック、「RiN」に登場した予言を残していくカラスの着ぐるみを着たような人物・ヤッサンのキーホルダーが付いています。「BECK」「RiN」ともにハロルド作石作品であり、たなか亜希夫とハロルド作石の交友関係を知らなかったため、出版社の垣根を越えて過去の作品のキャラクターが登場したことは嬉しい驚きでした。
07年12月 「リバースエッジ大川端探偵社」連載開始
16年10月08日 「リバースエッジ大川端探偵社」8巻発売
17年07月 「リバーエンド・カフェ」連載開始
17年11月29日 「リバースエッジ大川端探偵社」9巻発売
18年01月07日 「リバースエッジ大川端探偵社」原作者、ひじかた憂峰、死去
18年09月28日 「リバーエンド・カフェ」1、2巻同時発売
Mr.Childrenの歌詞に出てくる人物と作品。(私の好きなミスチルはどこへ行った?)
全歌詞集「Your Song」を買ったので、Mr.Childrenの歌詞に登場する人物と作品の抜き出しました。
※ ※ ※
○チャック・ベリー / CHILDREN'S WORLD
ギター弾くのが上手いんだ
それはまるで チャック・ベリーのように
○ボブ・マーリー / メインストリートに行こう
流れてるラジオに合わせ 口ずさむよ“BOB MARLEY"
□「気狂いピエロ」 / 蜃気楼
心の何処かに 今でも潜んでいる
“気狂いピエロ”が
監督:ジャン・リュック・ゴダール
□「狂った果実」/ 蜃気楼
心の何処かに 今でも潜んでいる
“狂った果実”が
□「Ticket To Ride」 / CROSS ROAD
口ずさむ
「ticket to ride」 あきれるくらい君へのメロディ
The Beatlesの楽曲で、邦題は「涙の乗車券」
□ドラえもん / フラジャイル
何はともあれ 人間関係はつらいや
無理とは知れど ドラえもんが欲しいな
○おりも政夫 / デルモ
水泳大会のおりも政夫
「おりも政夫は出場してた方じゃなく、オールスター紅白水泳大会の司会をしていたのをテレビで見ていた」というようなことをリリース当時に出演していたラジオで言っていた。
○宮沢賢治 / タイムマシーンに乗って
前略 宮沢賢治様
僕はいつでも 理想と現実があべこべです
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」
優しく強く 無欲な男
「ソウイウモノ」を目指してたのに
○ルイ・アームストロング / タイムマシーンに乗って
前略 ルイ・アームストロング様
次の世代にも しゃがれた声で歌ってやってくれ
心を込めて「ワンダフルワールド」
宮沢賢治、ルイ・アームストロングを歌詞に盛り込んだ理由について「BOLERO」リリース時のラジオでコメントしていました。
宮沢賢治は1996年8月27日が生誕100年で、同じく96年6月27日に日本で公開された映画「12モンキーズ」の挿入歌がルイ・アームストロング「What A Wonderful World」だったためとのことです。
96年6月、8月の出来事が97年3月発売の「BOLERO」収録の楽曲に反映されています。
○ミシェル・ファイファー / #2601
ミシェル・ファイファーの唇が好き ドレスから覗く鎖骨も好き
□「恋の行方」 / #2601
ミシェル・ファイファーの唇が好き
「恋の行方」見てはしごいて いやはやしごいて
90年公開の映画「恋のゆくえ」の主演女優がミシェル・ファイファー
○手塚治虫 / Everything is made from a dream
手塚マンガの未来都市の実写版みたいな街だ
○ブルース・リー、ジョン・レノン / Everything is made from a dream
□「ショーシャンクの空に」 / one two three
ビデオに撮った「ショーシャンクの空に」見てからは
もっと もっと 確信に近いな
暗闇で振り回す両手もやがて上昇気流を生むんだ
□ウルトラマン / ファスナー
きっと ウルトラマンのそれのように
君の背中にもファスナーが付いていて
□仮面ライダー / ファスナー
きっと 仮面ライダーのそれのように
僕の背中にもファスナーが付いていて
○中田英寿 / LOVEはじめました
殺人現場にやじうま達が暇潰しで群がる
中高生達が携帯片手にカメラに向かってピースサインを送る
犯人はともかく まずはお前らが死刑になりゃいいんだ
でも このあとニュースで中田のインタビューがあるから
それ見てから考えるとしようか
ライブで演奏するときは「中田」の部分が「香川」になったりしているらしい。
○レオナルド・ディカプリオ / タガタメ 、 タダダキアッテ
ディカプリオの出世作なら さっき僕が録画しておいたから
もう少し話をしよう 眠ってしまうにはまだ早いだろう
「ディカプリオの出世作」とは「ギルバート・グレイプ」のこと。
○みのもんた / 跳べ
みのもんた司会の「午後は○○おもいッきりテレビ」(~07年)で紹介された健康に良いとされる食品は品切れになることが多かった。
□「ファイト・クラブ」、ブラッド・ピット / FIGHT CLUB
99年 ミレニアムを間近にしてナチュラルハイ
世界中が浮足立ってた
そしてお前は 「ファイト・クラブ」でブラピが熱演してた
イカレた野郎に憧れてた
「ファイト・クラブ」は99年公開。
□ベートーベン、「運命」 / 運命
招かざる客で当面 構いはしないけど
いつの日か君のベートーベン「運命」奏でよう
※ ※ ※
フランス96年に核実験(「クストー計画」地下核実験)をすれば「あのニュースキャスターが人類を代弁して喋る/“また核実験をするなんて一体どういうつもり”」(マシンガンをぶっ放せ)と歌い、95年に大阪でセアカコケグモが見つかれば「毒蜘蛛も犬も乳飲み子も共存すべきだよと言って」(マシンガンをぶっ放せ)と盛り込む。
私がはじめてミスチルのCDを買ったのは、95年「シーソーゲーム」。時事ネタを取り込むところにミスチルに魅かれていたわけですが、94年「Atomic Heart」リリースから97年「BORELO」までの2年半をまとめると、それは当時のミスチルの稼働具合によるものだとわかります。
94年09月01日 アルバム:Atomic Heart
94年11月10日 シングル:Tomorrow never knows
94年12月12日 シングル:everybody goes-秩序のない現代にドロップキック-
95年01月07日 ツアー:Mr.Children '95 Tour Atomic Heart(10会場21公演/2月20日まで)
95年01月23日 シングル:奇跡の地球(桑田佳祐&Mr.Children)
95年05月10日 シングル:【es】 〜Theme of es〜
95年06月03日 映画:「【es】 Mr.Children in FILM」公開
95年07月16日 ツアー:Mr.Children STADIUM TOUR -Hounen Mansaku- 夏祭り1995 空[ku:](11会場17公演/9月10日まで)
95年08月10日 シングル:シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
96年02月05日 シングル:名もなき詩
96年04月10日 シングル:花 -Mémento-Mori-
96年06月24日 アルバム:深海
96年08月08日 シングル:マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-
96年08月24日 ツアー:Mr.Children TOUR REGRESS OR PROGRESS '96〜'97(12会場55公演/97年2月16日まで)
97年02月05日 シングル:Everything (It's you)
97年03月05日 アルバム:BOLERO
これ以外にも音楽誌の取材やテレビ収録(Mステ、HEY!HEY!HEY!、FAN、、、)、ラジオ収録(MUSIC SQUARE、、、)が挟み込まれているわけです。
リリースのスケジュールが決まっていて、この頃20代半ばで社会のことにも目を向け始めたとなれば時事ネタが取り入れられることも納得できます。
そして、私はこういうミスチルが好きになったので、リリース間隔あいたからか、50歳に近くなったからか、誰にもに当てはまる歌詞を書こうとしているからか、理由はわからないですが、最近のミスチルの歌詞からは固有名詞が消えました。それに伴い、アルバムは発売日に買えど聴き込むことはなったし、歌詞をノートに書き写すこともしなくなりました。深海からHOMEくらいまでは全部歌えるのに、最近では、、、。
とはいえ、新作「重力と呼吸」はCDプレーヤーでかけっぱなしにする分には良いアルバムだと思いました。
追伸。
「重力と呼吸」もSpotifyに入れてください。
※ ※ ※
YAHOO !で公開されたインタビューで「重力と呼吸」の歌詞について語っていました。
ソングライターとしての桜井は、今の時代をどう見ているのだろうか。
「今はたいがいのものがネットを通じて音と視覚で入ってくる。自分自身が、言葉だけを見て、何かを想像したりイメージしたりする力が落ちてきてるなって感じています。だから、リスナーもそうなんだろうと思うんですね」
それに伴って歌詞の書き方も変わってきた。「重力と呼吸」では、生きるとは、自分とはという大きなメッセージは影を潜め、ごく身近で具体的な景色を歌う歌が目立つ。
「リスナーの想像力をあまり信用していないっていうか、もうきっとここまでのことを深く掘り下げて書いても理解しないだろうな、ただ通り過ぎていかれるだろうなっていうのがあるんです。だから、意図的に淡泊に言葉を書いているところはあります」
その判断もわかるけれど、時代のカウンターとしては機能しないんじゃないかと考える。物足りない!
「フリースタイル・ダンジョン」モンスター抜かれまくり問題を考える。
9月18日放送回で3人に勝ったSIMON JAPが、翌週25日放送回で輪入道に勝ち、5人目、ラスボス・般若が登場しました。
peko(4th Season Rec3)、Lick-G(5th Season Rec1)、MCニガリa.k.a.赤い稲妻(5th Season Rec2)と3回続けてチャレンジャーを般若まで到達させしてしまい、続く5th Season Rec3では二代目モンスターへ気合いを入れに初代モンスターが登場しました。
二代目モンスターの新たな姿を見せるのが5th Season Rec4の位置づけだったはずです。
9月5日放送回こそ、ふぁんく、雄猿、SNAFKINと1回の放送で3人押し込むという省エネぶりを見せましたが、翌週登場したCIMAには3人抜かれた挙句に勝ち逃げをくらい、最後にSIMON JAPが登場しました。
最近の二代目モンスターの実力は、FORK、呂布カルマ、輪入道がまぁまぁで、裂固がちょっと下、崇勲には迷いが見えて、ACEは客をつかめていない、というところです。
CIMAは、輪入道、ACE、呂布カルマを抜いたので、次にFORKが出ていれば止めることができたはずです。
SIMON JAPを止めに行ったのは、FORK、ACE、崇勲、輪入道。
FORK倒して勢いづいたチャレンジャーを崇勲、ACEで抑えられる見込みはあったのだろうか?
初代はDOTAMAが戦略を考えていたということですが、二代目は同じようにしたくないらしく、戦略を立てず、誰が出るかも立候補制で、順番について譲り合っているように見えます。
1周り以上年下の若手が勝ち上がってきた時には分が悪い般若ですが、「世田谷の二個下」SIMON JAPを押し切り、クリティカルで防衛しました。
輪入道の「良かった~」のあと、FORKの「良くはない。良くはないけど」というやりとりが映されました。
「(負けなくて)良かった~」「(4人が抜かれたのだから)良くはない。良くはないけど(般若が負けなくて安堵した)」ということだと推測します。
般若が3連敗しなかったけれど、これで、初代モンスターを挟み、4回連続で般若まで到達してしまいました。
SIMON JAPに抜かれた4人が敗戦インタビューに答えていました。
FORK
悔しい。そこだけが今回の目的だったし、般若は絶対ださせないつもりでいた。実際、そういう結果になったわけだから、受け止めるしかない。俺が負けて乗せちゃった。さらに締め直さないといけない。
ACE
大きい責任があるな。「FORKさんが万が一行かれても俺100%止めるんで!」サクッと負けたのが余計乗せちゃった。チームとしては俺が一番機能出来てない。
崇勲
非常に重く受け止めております。「どうしたらいいかな」と迷いながら出て行っちゃった。何も出来ない普通以下のラップして帰ってきた。恥ずかしかった。
輪入道
またケツ拭いてもらってしまった。何やってんだろうな、俺は。あの場面は初代だったら4人目が死ぬ気で食い止めてた所。あのザマだったわけだから。結局般若さんにケツ拭いてもらって、ヘラヘラしてるわけだから。相当、どうにかせんとな。チャレンジャーが強かったっていうのもありますけど、「お客さんの空気が」「審査が」言い出せば色々言える。そっちのせいにしたくない。今の状態だと確実に自分が穴だった。他のメンバーに申し訳ない。
SIMON JAP戦を総括すれば、「呂布カルマは何で出てこない?」「FORKは締めすぎて、ちぎれちゃいそう」だとか、「ACEの止めるという自信はどこから沸くんだ?」とか言いたいことは色々あります。
崇勲が迷いながら出たって言うなら、DOTAMAのように戦略立てられる人が必要ってことだし、輪入道が言う「お客さんの空気」については、チャレンジャーに傾いた空気を変えるのがモンスターの仕事じゃないのか、と思ってしまう。
現状のまとめはこの辺にして、二代目モンスターの抜かれまくり問題についての対策を考えました。
1 モンスターを入れ替える
大関だって何場所も負け越せば陥落するんだから、なにか厳しい措置が必要に思う。
二代目モンスター、個々は総合力が高いけど、際立ったものをもつモンスターが少ないような気がする。崇勲にサ上のユーモアは引き継がれているが、T-Pablowのセルフ・ボースト、漢a.k.a.GAMIのイリーガルな雰囲気は二代目に引き継がれていない。
ユーモアのある崇勲は残す価値あるとしても、ACEはバッサリ変えてもいいだろうと思う。
とはいえ、ACE含めてBBQまでしちゃったし、ZeebraとACEはダンジョン開始時からの付き合いなので交代は実現性が薄い。
深刻な顔をしながら「負けても次があるからさ」と思っているモンスターはいないだろうか?「フリースタイル・ダンジョン」で負けても次があるって思ってしまうと、水面下でプロップスが低下し続け、今後どんなに素晴らしい音源をリリースしたとしても聞いてもらえなくなる。
とはいえ、2018年9月時点で、二代目になってからアルバムを出したのは呂布カルマと裂固だけだから、2人以外は「フリースタイル・ダンジョン」以降の身の振り方について何も考えていないらしい(その後、18年11月にFORKの所属するICE BAHNが「LEGACY」をリリースし、輪入道は19年3月にアルバムをリリース予定。崇勲、ACEは何をしてるの?)
モンスターをもう1人追加するとか、入れ替えるとかしないと、本当のところで違うギアには入らないんだろうなと思う。
現在のHIP HOPシーンは、バトルに出る人と出ない人の区別がはっきりしすぎていて、ある程度のプロップスがあって、モンスターを引き受けてくれそうな人材は見当たらない。
SKY-HI、PUNPEE、5lack、OMSB、JJJ、Kid Fresino、KOHH、KEIJU、Ryohuといったスター街道を進む面々は出てくれそうにない。
こういう面々より出てくれる可能性が高いのは、番組開始直後から出演が待ち望まれている鎮座DOPENESSだと思うんだけど、出ないんだろうな。
2 4人目を固定する
初代モンスターの時のR-指定のように、誰かが覚悟を決めて4人目を引き受けてほしい。
「チャレンジャーに傾いた空気を変える」という面ではFORK、輪入道より呂布カルマが4人目にふさわしいと考えます。
現状、1人目、2人目と早い順番で呂布カルマを見れる楽しさはあるけれど、「チャレンジャーに傾いた空気を変える」ためには、ある程度の温存なり引っ張りが必要になります。
呂布カルマはCIMA戦に出て負けたから、次のSIMON JAP戦では引っ込んでいたのでしょうけど、CIMAとFORKなら、SIMON JAPと呂布カルマなら、どっちもモンスターに軍配が上がったように思います。
SIMON JAPは「フリースタイル・ダンジョン」に短期間で何回も出ているので、勝ち上がって会場が沸いたわけではなく、ライミングの聞き取りやすさや、内容に齟齬がなかったためだろうと感じます。だからこそ、呂布カルマが4人目だったら、、、と考えてしまいます。
3 戦略が必要(ついでに、二代目モンスターの弱み)
Abema TVで放送された初代モンスターを迎えた5th Season Rec3完全版の冒頭、二代目モンスターが決起集会を開いた模様が放送されました。
ACEの「初代モンスターはDOTAMAが相手の分析を行い、チームで戦っていた」という話を受け、崇勲が「東西!口迫歌合戦(16年12月31日放送)」の前にDOTAMAからHIDADDY対策のメールが来たけれど、それを無視して臨んで勝った、という話をしていました。
二代目モンスターにはまだお互いに対する遠慮があり、互いに助言したり、誰かがリーダーシップを発揮することがないように見えます。
だから崇勲は「SLUM DUNK」の谷沢のように、何の策もないままステージに上がることになってしまったのでしょう。
ディスが効かないという触れ込みで登場した崇勲が般若まで到達できたのは、後攻を選べるチャレンジャーという立場だったからなのでしょうか?チャレンジャーに後攻を選ばれ、先に何かを言わなければいけないモンスターという立場にまだ迷いがあるように思います。
弱みついでに言うと、ACEの弱みはCIMAの言った「クソセルアウト野郎」がドンピシャです。「全力!脱力タイムズ」で料理のラップするならバトルは引退した方がいいように思うんだけど、子供産まれたらしいから目先の稼ぎに飛びついてしまうんだろうな。
CIMAから「かわいいい少年」と言われてしまった裂固は、良い人すぎます。押韻が堅いのはいいんだけど、それは基礎であって、観客を沸かすためのパンチラインが足りていません。T-Pablowのように「若いのに凄いんだぞ」というセルフ・ボーストもなく、「何を言うんだ?」ということが、現状では全く期待されていません。
輪入道は、「青筋立てて早口」以外のことをしているだろうか?ガルフィー着てT-Pablowを驚かせたところにヒントがある気がする。
FORK、呂布カルマは二代目になって以降、宇多田ヒカルネタを入れてきたり、押韻に力を入れたりといった変化が見られるので、注文はありませんし、引き続き肩入れしていきます。
ただ、バトルには相性があるし、それ以上に「フリースタイル・ダンジョン」では空気づくりや空気を変えることが重要だから、そこへの対策をしてほしいです。
抜かれまくり問題は解決するのでしょうか?
19年2月からはじまった「Season5 Rec8」について書きました
音楽フェスティバル雑感、というかフェスがしんどい
(1)音楽フェスに行く人
音楽フェスは「去年はサマソニへ行ったけど今年はケンドリック来るからフジロック行こう。来年は20周年で気合い入れたブッキングあるかもだからロッキンに行こう」というようにブッキング次第で行くフェスを決めるものだと認識していました。
私は5回くらいしか音楽フェスに行ったことないし、だいたい目当てのアーティストいるから参加しています。フジロックは金曜日にもやってて、行ったことなかったから、たまたまタイミングあった時に行けました。
ところが、そういうことでもないらしいのです。
ロッキンは開場待ちしてると、並んでる人はみんな過去のロッキンTシャツ着てますからね。で、帰りは「来年は何日来れるか」っていう話をしてる。だからリピーター率めちゃ高いんですよね。実は出演者にそこまで依存してないっていう。
フジロックが2019年で21回目、サマソニやロッキンが来年20周年ということで、今までの積み重ねにより「場所」の重要性が増してきています。
今年の開催の最終日に来年の開催と日程が発表され、年明けには早割チケットが売り出されて売り切れているので、リピーターが一定数いるということなのでしょう。
フェスは営利事業だし、乱立すれば客の取りあいになるのだから、独自性が必要になります。
ロッキンは快適さが良いらしいし、フジロックは不自由さや自然が良いらしいし、サマソニは都心からの利便性が良いらしいし、エゾロックは遠くて良いらしい。
それぞれの独自性に気づかないと、ロッキンの快適性に慣れた音楽ライターのようにフジロックの不自由さを批判することになります。
(2)音楽フェスは魅力的だが、物足りなさもある。
私には定宿や実家のように思えるフェスはまだないです。2,3回行った「りんご音楽祭」の勝手がわかる程度です。
フェスへの参加が習慣になってないし、りんご音楽祭の裏かぶりに耐えられないのもあるし、何より1時間程度のセットしか見れないくらいなら、2時間近くが期待できる単独公演に行きたいと思うようになりました。
私は県内でアナログフィッシュのコンサートを5回くらい見ているけれど、いずれも単独公演ではなく、2マンかフェスなので1時間くらいしか見たことがありません。見てない公演もあるけれど、それだってフェスかなんかで、単独公演は開催されていません。
アーティストと側とすれば単独公演に人を呼ぶためにフェスへ出ているんだろうけど、参加者からすると大半のアーティストはフェスで見れば満足できてしまいます。フェスで見てすぐ単独に足を運ぶことは稀で、実際は、前から音源を聞いて気になっていたアーティストの演奏が良かったから次は単独へ、という流れなんだろうと。
地方でもフェスなら集客が見込めるので多くのアーティストに来てもらえるけれど、りんご音楽祭出演アーティストのほとんどの単独公演がなかなか実現しないところをみると、集客は私が思うより厳しいのかもしれません。
ライブハウスでの公演があるのはThe Birthday、ザ・クロマニヨンズ、Ken Yokoyama、MAN WITH A MISSIONなどバンドばかりです。
東京を含めて単独のキャパが需要とあっていないアーティストはチケット取れないのでフェスで見るしかないのかなとも思います。
(3)音楽フェスとはバイキングである
フェスで会場内を移動して時に演奏に足を止めたり、行く行かないに関係なくラインナップやタイムテーブルを見ているうちに、これは新人を探すコンベンションなのかと思うようになってきてしまいました。
コンペティションと思ってしまうと、「音楽フェスとはバイキング(ビュッフェ)である」という結論に至りました。
ホテルの朝食バイキングには、ご飯ものだけでも、白米、玄米、おかゆがあって、夕食だと更に寿司やおこわも追加されます。この種類の多さはステージの多さに似ています。
あれもこれもとちょっとずつでもいいし、3つ抑えるだけでもいいし、定番ばかり選んでしまうということも置き換え可能な共通した「楽しみ方のバリエーション」です。
サマソニにチャンス、フジロックにケンドリが来るってのは、ホテルビュッフェにイレブン・マディソン・パークやフレンチランドリーが出張するみたいなことで、サザンやユーミン、山下達郎の出演するロッキンやライジンはすきやばし次郎や賛否両論、瓢亭が出張するみたいなことです。
自分の好きなものだけを皿に盛り、いつも以上に食べ、、温泉やアスレチックを楽しむのも悪くはないけれど、2時間を料理人にゆだねる体験の方に今は魅力を感じます。
一つの店に絞るのは、他を捨てることです。寿司を選べば、ステーキやラーメン、カレーを食べることはできません。
色々楽しめるのも悪かない別に。とはいえ、旅費の負担はあるけれど、狙いを絞って入り込んでいきたい。
ザ・ウィークエンド、「TIME」誌掲載インタビュー(和訳)
2018年12月18日にザ・ウィークエンドが来日公演を行います。
ザ・ウィークエンドはケンドリック・ラマー、チャンス・ザ・ラッパーに並んで、今年来日するアーティストのビッグ3の一画です。
しかしながら、ザ・ウィークエンドの位置ははっきり言ってよくわかりません。ヒップホップ界隈は記事が充実しているけれど、ヒップホップではないザ・ウィークエンドのことはほとんど語られていないのが現状です。
そうなると海外メディアの記事に当たるしかないのですが、幸いなことに雑誌などに掲載された記事はネットにも転載され、触れることができます。
ということで、アメリカのニュース週刊誌「TIME」2018年5月28日号掲載の特集「次世代リーダー」で取り上げられたザ・ウィークエンドの記事を翻訳しました。
きっと誤訳だらけです。読める人は原文に当たってください。
※ 「The Weeknd」の読み方は「ジ・ウィーケンド」「ジ・ウィークンド」が好きなんですが、「ザ・ウィークエンド」に統一しました。
ザ・ウィークエンド、その名声、愛、「憂鬱」 / The Weeknd on Fame, Love and 'Melancholy'
エイベル・テスファイは昨年セレブリティたちが身を寄せるカリフォルニア州カラバサスに引っ越してきた。明るく風通しの良い家はヒドゥン・ヒルズの近くで、近所にはドレイクやキム・カーダシアン・ウェストも住んでいます。額はどこかに吊るすべきだし、ワインの貯蔵庫もすきずきしているけど、部屋の隅には彼の胸像があります。ビバリーヒルズに比べて過度に注目されない所を彼は気に入っています。「またかつてのような状況に戻りたいとは思わない」と彼は言いました。「いつも誰かに見られているようだった」。
テスファイ、一般にはザ・ウィークエンドとして知られる、はわかりやすいところから登場してきました。彼が音源をリリースした2010年当時、彼は意図的に曖昧さを保っており、主にインターネット経由でバズを起こしました。「ザ・ウィークエンド」とはバンドなのかソロなのかもわからないまま、ファンは彼に夢中になっていきました。一連のナンバーワン・ヒット(「ザ・ヒルズ」、「キャント・フィール・マイ・フェイス」、「スターボーイ」)や新作「マイ・ディア・メランコリー」(SpotifyとApple Musicともに公開24時間で2,500万回以上再生という記録を作った)で新進のスーパースターとなり、4月開催のコーチェラで彼はビヨンセと別日のヘッドライナーを務めました。
※2018年は4月13日(金)~15日(日)、20日(金)〜4月22日(日)に開催(3日間×2公演)。
ヘッドライナーは、ザ・ウィークエンド、ビヨンセ、エミネム(曜日順)
あちこちで彼の名前を目にする割に、ザ・ウィークエンドについてよく知らないと感じているのはあなただけではありません。彼はめったにインタビューに応じることがありません(最後に受けたのは2016年11月です)。もっとも、彼の謎めいた姿勢は、主として神経質なところに起因しています。「生放送のテレビ・インタビューに答えなきゃいけないと思うだけで吐きそうになるよ」。個人的なことについてはほとんど語ってきませんでしたが、彼が女優で歌手のセレーナ・ゴメスやスーパーモデルのベラ・ハディットとデートしているのをパパラッチに撮られた写真は簡単に見つけることができます。
しかし、音楽において、テスファイは自分自身をさらけ出し、愛やドラッグ、セックスについて気まぐれに歌っています(君が触ってくれるだけでいいんだ、感情なしで/ラリってるときの俺は正真正銘の素の俺「ザ・ヒルズ」)。重く、感染力のあるビートと忘れられないフックを持つ彼の楽曲はとても良く、それはR&Bとポップの間に位置付けられます。テスファイは楽曲がミレニアルズ(1980~2000年初期に生まれた世代)、中でも思春期の子たちなら共感してくれることを信じています。少年少女のことがわかり、楽曲を作るテスファイ自身は28歳です。「私たちが感じている愛の定義は、キッズやティーンの子も経験しています」と彼は言います。「音楽は特別なものです。そして人々が必要としているものです」。
※ エイベル・テスファイの誕生日は、1990年2月16日。
テスファイはエチオピア系移民としてトロントで産まれ、母親と祖母に育てられました。彼は17歳で学校をドロップアウトし、それから数年間は保護者のいないティーンエイジャーのしそうなこと、ドラッグや万引き、ホームレスまがいのことをして過ごしました。「僕は学校をドロップアウトしたり家出したりしている16、17の子たちを奮起させようとはしていない」と彼は言います。「単に自分も同じだっただけなんだけど」。
2015年に彼がリリースした「ビューティ・ビハインド・ザ・マッドネス」は200万枚を売りあげ、グラミー賞を獲りました。リードシングル「アーンド・イット」は映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の主題歌としてオスカーの歌曲賞にノミネートされました。「星が自分のために並んだように思った」「連日のハードワークはあったけれど、正しい場所に、正しいときに収まったように感じた」。翌年リリースした3枚目のアルバム「スターボーイ」は初登場1位となり、最終的には200万枚を売りあげました。
ヘッドライナーを務めるコーチェラへの移動まで1週間を切ったタイミングでインタビューを行いました。コーチェラのヘッドライナーは彼にとってランドマークの1つとなる出演です。2015年にヘッドライナーのジャック・ホワイトが早い時間の出演を選んだので、彼は2日目を締めることになりました。「今までの人生はこの瞬間のためにあったんだと感じた」「打席に入れ。いいか、輝く時が来たぞ」。そして彼は演奏しました。観客のエネルギーを呼び戻し、彼の演奏で観客は立ちすくんでいました。彼の空へ抜けるような歌声は冷たく荒れた空に色を与えました。彼のキャリアは上昇していきました。コーチェラは3年早いとがっかりさせられていたので、とりわけ成功を感じた瞬間でした。Apple Musicのゼイン・ロウは2012年のザ・ウィークエンドを「スターの器じゃない」と評しましたが、結局はテスファイを鼓舞させることになりました。
※2015年のコーチェラでのジャック・ホワイトは、2018年のフジロックでのボブ・ディランと同じようにヘッドライナーでありながら、トリ前の出演だった。
それは興味深い許可であり、彼の平穏に加え、不屈の願望を覗く機会にもなりました。多くの人がスターになろうとして、しかし、何人がスターになることを認められたでしょうか?恐らく率直に言ってテスファイはスターになったことがわかり、満足しているようです。グラストンベリーのヘッドライナーになり、デヴィッド・ボウイやスティービー・ワンダー、ポール・マッカートニーやビヨンセに並ぶことを目標にしているようです。目標どおりにいきそうかと尋ねました。「ええ、恐らく」。それにも関わらず、彼は賞や評価をそれほど気にしていないように見えます。それどころか彼はレジェンドたちがそうしているのを認めていて、レジェンドのようになるなら同じように引き受けていかなければいけないとわかっているようです。そのアプローチに注目すると、言うまでもなく、独自性が彼の仕事につながっています。
テスファイの新作EP「マイ・ディア・メランコリー」はリリースから数週間後に彼とゴメスの関係の終わりが伝えられ、「Wasted Time:無駄な時間」「Hate You:君を憎む」といった暗いタイトルの曲が収録されていたことから、すぐに「別れのアルバム」と呼ばれるようになりました。彼はその詳細については慎重になっています。「ゴメスとのことはパンドラの匣と同じであり、僕はそれを開けたくない」。しかし、彼は先行シングル(「Without a Doubt」)とレコーディングが浄化をもたらしたことを認めています。「それはセラピーであった」とテスファイは言います。「それについて話すことを求められているんだろうけど、言ったとおり終わった話なんだ」。
だけれども、話は終わっていません。「憂鬱な気分を優先して、このアルバムの曲を書いてきた」とテスファイは言います。「これまでの人生で憂鬱になることは少しもなかった」。私はこのアルバムのレコーディング期間中はまだゴメスと続いていて楽観的だったのではないかと尋ねました。「あぁ」、彼は言います。「それはとても楽観的だし、美しくもある」。しかし、彼はその仮定を破棄しました。なぜなら彼はその時期を過ぎていたからです。「僕がやりたいと思わないことは実行したくない」と彼は言います。それを聞かせてもらうことは?「決してない」と強く主張しました。
その日の午後遅く、母屋の向かいの全く同じような作りの2棟の犬小屋について話を振りました。犬が好きかを聞く前にテスファイは誇らしく微笑み、ドーベルマンの子犬、カエサルとユリウスを呼びつけました。彼はどのように散歩しているか実演し、結局は倍の大きさまで育っていることを自慢しました。彼らは泳げるけど、プールから出る方法はわかっていないから教えているんだ。その瞬間の彼は、のんびりした春に犬とくつろぐ一人の男性でした。ザ・ウィークエンドの謎めいたベールは決してはがされないだろうけど、たくさんのことを知ることができたのではないだろうか。
津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』総集編
津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』は2017年1月から18年3月にかけて朝日新聞に連載されたのち、18年6月に単行本が刊行されました。
朝日新聞連載時と単行本では、話の収録順が変更になっています。
朝日新聞連載時は「えりちゃんの復活」→「若松家ダービー」→「三鷹を取り戻す」という順でしたが、単行本では、「えりちゃんの復活」と「三鷹を取り戻す」が入れ替わっています。
各話は、対戦するチームのサポーター同士が最終節のスタジアムに居合わせるのがこの小説の決まりごとになっています。
1話「三鷹を取り戻す」
サポーター:糸川貴志、松下広務
2人の関係:バイト先が同じ
表紙:若生賢治(三鷹/監督)、三鷹で暮らした太宰治とのコラボTシャツ、2人がスタジアムで食べたカルビ丼の幟
2話「若松家ダービー」サポーター:若松供子、若松圭太
2人の関係:親子
表紙:峰岸青児(琵琶湖/監督)、ディアブロ(泉大津/マスコット)
3話「えりちゃんの復活」カード :オスプレイ嵐山 VS CA富士
サポーター:ヨシミ、えり
2人の関係:いとこ
4話「眼鏡の町の漂着」カード :鯖江アザレア VS 倉敷FC
サポーター:香里、誠一
2人の関係:スタジアムへ向かうシャトルバスで隣に乗った
表紙:野上芳明(ヴィオラ西部東京→倉敷)
第5話「篠村兄弟の恩寵」カード :奈良FC VS 伊勢志摩ユナイテッド
サポーター:篠村靖、篠村昭仁
2人の関係:兄弟
表紙:窓井草太(伊勢志摩)
第6話「龍宮の友達」カード :白馬FC VS 熱海龍宮クラブ
サポーター:睦美、細田
2人の関係:バイト先の同僚
表紙:細田さんの夫がスタジアムで会っていた熱海のおじさん
第7話「権現様の弟、旅に出る」カード :遠野FC VS 姫路FC
サポーター:青木壮介、内藤親子
2人の関係:シーズン初戦に姫路のスタジアムで会った
第8話「また夜が明けるまで」カード :ヴァーレ浜松 VS モルゲン土佐
サポーター:遠藤忍、広瀬文子
2人の関係:最終節前日に土佐空港で会った
第9話「おばあちゃんの好きな選手」カード :松江04 VS 松戸アデランテロ
サポーター:周治、周治の父方の祖母
2人の関係:祖母と孫
表紙 :石切秀児(松戸/21番)
第10話「唱和する芝生」カード :川越シティFC VS 桜島ヴァルカン
サポーター:岩田富生、鰺坂先輩
2人の関係:吹奏楽部の先輩、後輩。
第11話「海が輝いている」カード :カングレーホ大林 VS アドミラル呉FC
サポーター:功、堂河内仁美
2人の関係:離れて暮らす父と娘
表紙:コルドビカ・イザギレ(大林)、吉内(呉/24番)、功が快速電車で一緒になった祖父と3兄弟
タイアップに絡めとられだした星野源
8月1日(水)付けの朝日新聞全面広告で星野源の新曲「アイデア」が配信限定でリリースされることが告知されました。
CDでなければ入手できない年配の方もいるのに、朝ドラ主題歌を配信限定でリリース、、、。
今回のリリースは、「365日の紙飛行機」を2曲目にして「唇にBe My Baby」でシングル切ったAKB48以上に間違っているし、何より聴き手に優しくないです。
間違っているとはっきり書いたけれど、星野源サイドにもこうせざるを得ない事情があるのだろうと推測します。
星野源は「Crazy Crazy/桜の森」(2014年6月)以降、シングルには4曲を収録しています。4曲目が自宅録音の「House ver.」であることもお決まりです。
14年 6月「Crazy Crazy/桜の森」
15年 5月「SUN」15年12月『YELLOW DANCER』(アルバム)
16年10月「恋」
17年 8月「Family Song」
18年 2月「ドラえもん」
アルバム『YELLOW DANCER」以降、シングルを3枚リリースし、未収録曲が4曲×3枚と12曲溜まっている状況です。
aikoはシングル3枚→アルバム→シングル3枚→アルバムというルーティーンを守っています。aikoが律儀すぎるのかもしれませんが、シングル曲の収録数が増えると既発曲をまとめただけのベストアルバム感が濃くなっていき、アルバムとしてはまとまりに欠けていきます。
そろそろアルバム制作も始まっていると期待すれば、これ以上シングルを切れなかったのが、星野源サイドにあったのだろうと推測します。
シングル切るとアルバム未収録曲が16曲になるだけでなく、アルバム待望論が更に高まります。それ以上に星野源へシングルのためだけの制作を強いることになります。
配信限定にするとリリース情報を知らないでいる人も出てくるだろうから、その対応として新聞に全面広告を打ったのでしょう。
星野源の多才な活動が全方面から受け入れられるようになり、断ることのできない大型タイアップの依頼が集中していることが今回の事態を招いています。
本稿はアルバム『初恋』を聴いた時の「驚き」から書き進めてきたが、もちろん“Play A Love Song”も“あなた”も“初恋”も“Forevermore”も“大空で抱きしめて”もテレビCMやテレビドラマを通して何度も何度もアルバムを聴く前から繰り返し耳にしてきた。宇多田ヒカルの音楽のファンならば、自分のように「もしアルバムを聴いた時が最初の出会いだったらもっともっと大きな『驚き』があったのに」と夢想してしまう人も少なくないのではないか。「そもそもタイアップ案件があったからこそそれらの曲が生まれたんじゃないか」というごもっともな意見には、「そろそろアルバム収録曲の約半分がタイアップ曲ではない宇多田ヒカルのアルバムを聴いてみたいだけなのに」と返すしかない(「約半分の曲がタイアップ曲ではない」宇多田ヒカルの最後のアルバムは、2001年の『DISTANCE』まで遡らなくてはいけない)。
これはCINRAに掲載された宇多田ヒカル『初恋』についての文章の引用です(筆者は宇野維正さん)。
星野源『YELLOW DANCER』は14曲中7曲にタイアップがついているため、星野源にも置き換え可能な指摘であり、星野源の音楽のファンに待っている未来のことでもあります。
「ドラえもん」のタイアップがなければ「ドラえもん」は生まれていないし、「逃げるは恥だが役に立つ」の主演&主題歌起用がなければ「恋」は生まれていないのは重々理解しています。
必要は発明の母はその通りなんですが、多くのひとに届くポテンシャルを持ち、そのための条件のそろっている「アイデア」という楽曲が広まりきらないだろうことが残念に思うわけです。
例えば、朝ドラを毎日見ていて主題歌を気に入っている祖母に、どうやって配信限定シングルを届けることができるのでしょうか?
フィジカルでリリースされれば、CDなりカセットを買って渡せば済みます。
配信限定の場合、iTunesでダウンロードしたものをCD-Rに焼かなければいけません。私はSpotify中心でダウンロードはめっきりしていないし、自宅にはネットにつながったパソコンがありません。職場のパソコンはセキュリティが強化されてCD-Rに焼くことはできなくなりました。
一体、どうすればいいのだろうか?
同じく朝ドラ主題歌だった桑田佳祐「若い広場」もシングルカットされず、「配信→PV公開→アルバム」という流れでした。
星野源も桑田佳祐と同じ事務所「アミューズ」に所属のタレントなので、この流れを踏まえているんだろうな。しょうもないな。
似たようなことを考えている方がいました。
CD販売による収益が得られなくて困るのはレコード会社であって、アミューズ自体はそんなに痛くないんじゃないでしょうか?
だとしたら、アミューズの狙いはどこにあるんでしょうか?飽きさせないため?タイアップ作品を独占しようとしている?アルバムの売上に賭けている?
よくわかりませんね。