まだ間にあう!「ラップスタア誕生!」Season 3

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「ラップスタア誕生」とは、どのような番組か?

年始にAbemaTVで「フリースタイル・ダンジョン」の特番を見終えた時に紹介された「ラップスタア誕生」を見て、まんまとはまってしまいました。

この番組はAbemaTVで放送されている、楽曲を審査対象としたオーディション番組です。

「フリースタイル・ダンジョン」はフリースタイルラップバトルですが、こちらは楽曲制作に焦点をあてています。


審査の流れ

オーディション参加者は、番組公式サイト上にある「トラック(音源)」から1曲選び、 即興フリースタイルではなく、自らのLIFE(生い立ち)を投影し練り上げられた「自己紹介リリック」をその「トラック(音源)」に乗せたパフォーマンス動画を投稿します。この投稿された動画で1次審査がおこなわれます。

Season 3のトラック提供者は、DJ Mitsu the Beats、CHIVA from BUZZER BEATS、Gradis Nice、JJJ、ZOT on the WAVEといった面々。

ペンとノートがあればリリックはかけるけれど、良いトラックを作るにはそれなりの学習や才能も必要になります。トラックを提供することは画期的であると思う。若い才能にロイター板を与えるようなことです。

「フリースタイル・ダンジョン」のビートはクラシックばかりですが、新しい才能に新曲を提供する。

この番組は意志を持って未来を作ろうとしていて、そこに心が動かされます。


(1)事前審査

  オーディションに応募してきた約300名から30名に絞る
  

(2)1次審査

  事前審査通過者30名のオーディションに応募してきた動画を全員で確認し、10名に絞る。

  「フリースタイル・ダンジョン」出場経験のあるHARDYやJ平、HIBIKIもいたが、ここで脱落。
  
(3)2次審査

  1次審査通過者10名のもとをRYUZOが訪ねていき、生い立ちやら何やらを聞く。

  同時に、応募時の楽曲をブラッシュアップさせ、映像もスタッフが撮影しする。ここで2名脱落。

(3)3次審査

  河口湖で合宿しながら楽曲を制作する。トラックごとに2人ずつ分けられ、どちらが良かったかを審査する。

  8名が4名に絞らることになるが、敗者復活戦があるとのことなので、最終審査進出者は5名?

(4)最終審査

  ライブハウスに客入れをし、ライブを見て審査する。

1月23日放送回では敗者復活戦が行われることが予告されており、30日放送回ではいよいよ会場をライブハウスに移しての最終審査が行われるとのことでした。

合宿審査のところからはAbemaTVのビデオで視聴できるので、見て追いついてください。


Season 3の優勝者を予想する

・¥ellow Bucks
・Flight-A
・SANTA WORLD VIEW
・Joseph Blackwell
・敗者復活

Season 1では、盛り上げることのままならなかったLIL CRAZYとTohjiのあとで、観客を沸かせたDAIAが優勝をかっさらっていきました。

Season 3で残っている4名はもうプロでやっていけそうな実力があり、誰が1番手でも客席は沸くでしょう。Season1はDAIAとWILYWNKA(Willy Wonka)の接戦になりましたが、今回は4人のうちだれが優勝しても納得できるので、審査は割れそうです。

だから、あとは好みの問題です。

私は、¥ellow BucksとFlight-Aを推しています。Flight-Aは所属するGREEN KIDSがブレイク前夜という位置まで行っているので、どちらかを選ぶとすれば、¥ellow Bucksが優勝してほしい。

 

「ラップスタア誕生」は審査に納得できる

Kダブシャイン(審査員長、KGDR)、ANARCHY、HUNGER(GAGLE)、SEEDA、伊藤雄介(Amebreak編集長)といった日本のラップの黎明期から活動されている4人+ラップに詳しい編集者の計5名が審査員です。

「フリースタイル・ダンジョン」ではバトル後に審査員1人から意見を聞くだけですが、「ラップスタア誕生」では1つの楽曲に対して、審査員5名全員が意見を言います。SEEDAは「良かった」「文句ない」「コメントできない」等あっさりめですが、HUNGERと伊藤雄介は細かい分析を行い、KダブとANARCHYは中間くらいの分量で意見を発します。
コメントは歌唱のカッコよさだけでなく、リリックの内容への指摘もあり、このような見方をするのかと学ばされることが多くあります。

印象に残るコメントを引用します。

Kダブシャイン「ケンドリック・ラマーから引用しているけれど、オリジナルであることに重きをおいていないんだな」

伊藤雄介「ヒップホップへを女性に例えて歌った曲は多くあるので、切り口としては新しくない」


オーディションを経て、出場者のその後を知ると、ANARCHYは面倒見が良くて驚きます。

LEON a.k.a 獅子やMC小法師を自分のイベントに呼ぶだけでなく、WILYWNKA(Willy Wonka)とは自分のレーベルと契約したりしています。

WILYWNKA(WillyWonka)がANARCHYの新レーベルと契約。1stソロ・シングルが配信開始! | NEWS | Amebreak[アメブレイク]


オーディションに応募する若者の人生が垣間見れる

順風満帆な青春を謳歌している若者よりも、不遇をかこっている若者が目につきます。ラップやヒップホップに心奪われたのは応募者みんながそうなんでしょうが、ラップがなければギャングになっていたんだろうと思わせるBAD HOPの面々のような応募者がいます。

親がミュージシャンのjumaや主婦であるchiyokoや渡辺美奈代の息子とかは稀なほうで、片親だったり、両親ともいなかったり、鑑別所に入ったことがあったり、進学校で週刊誌沙汰となった事件の首謀者に仕立て上げられて退学した人がいたり。中学生のRYOUGOUは、父親は刑務所に入っていて次の兎年(2023年!)に出所するとラップしていました。

都築響一の『ヒップホップの詩人たち』に出てきたラッパーたちのようでもあります。


Season 3のhMzとジョセフ・ブラックウェルは高校生ラップ選手権に出場経験がありますが、過去シーズンのWILYWNKA(Willy Wonka)やLEON a.k.a.獅子も出場者です。

また、Season 1のWILYWNKA(Willy Wonka)、Season 3のマイドリとRYUGOはHIDADYの経営する一二三屋周りの人たちです。

似たようなルートで世に出てきてんだなと思ったりもするけれど、それ以上に切磋琢磨できる土壌ができていることに期待を持ちたい。

 

 

Season1を後追いで見て、Season 2とSeason 3も探しているけれど全然ありません。Season 2からMCが吉本興業所属タレントになったのですぐに削除されているんだろうと思います。

 
司会進行
メインMC(Season1):若林正恭(オードリー)
メインMC(Season2、3):斎藤司トレンディエンジェル
アシスタントMC:岡本夏美
ラップスタァ誕生 立案者:RYUZO


ファイナルステージ進出者
Season 1
2017年5月5日~9月2日

 DAIA
 Willy Wonka
 JIROW WONDA(MAS)
 Tohji
 LIL CRAZY(=矢島愛弥/渡辺美奈代の長男)

トラック提供
NAOtheLAIZA、DJ PMX、I-DeA、DJ KM、DJ WATARAI、LostFace(BCDMG)

Season 2
2018年2月7日~6月27日

 LEON a.k.a. 獅子
 MC小法師
 Natural P
 マイドリ
 LIT0

トラック提供
DJ MITSU THE BEATSGAGLE)、Chaki Zulu(YENTOWN)、理貴、estra (a.k.a. OHLD)、Automatic(ゆるふわギャング)