「フリースタイル・ダンジョン」2018年7月31日
初代モンスターと2代目モンスターが対戦する「フリースタイル・ダンジョン」シーズン5、rec3。
7月31日放送回は注目点の多い回だったので、まとめました。
いつもは「エキレビ」でのうっすい書き起こしとレペゼン社会不適合者さんのまとめを見て済ませるんですが、レペゼンさん今回は熱が入りすぎてふわっとしたことしか書いてなかったので、、、。
バトル以外でも言えることをバトルで言っているのか問題
「バトルで言っていることを、バトル以外でも言えるのか?」というのは、MCバトルで論点になっていることの1つです。
つまり、「バトル以外では言えないことをバトルで言う=リアルじゃない」という図式です。MCバトルに出場する人には、リアルであることが求められるので成立する論法です。
MCバトルが増えて、ラッパー同士が現場で顔を合わせる機会が増え顔見知りが増えている昨今では以前より有効なディスになっています。
漢a.k.a.GAMIと対戦した呂布カルマ、FORKと対戦したR-指定がこの論法を砕く返答をしていました。
まずは、呂布カルマ。
漢a.k.a.GAMI
マイク持つとなんで豹変
いやいや いらねんだよ
そんな嘘臭い表現
そう いつものように続けるリアルなラップ
あそこ(入場ゲート)をくぐる
マイクを握る
スイッチが入る俺は俺でなくなる
ラッパーになる
呂布カルマとしての仕事を全うする
続いて、R-指定
FORK
お前はステージに登ると急に生意気
いきなり鼻息荒くしてるけど
マジで世が世だったら
無礼過ぎて腹切りして早死にしちまうような
ハヤジニー発言だよ
問題だ 荒れるぞインターネット
今日はお前がターゲットだよ※世が世なら … 2003年「FORK=般若」戦の後に判定を巡って揉めたことがあったようです
※ハヤジニー発言 … 椿が指摘したMCバトルでのミソジニー(女性蔑視)発言
※荒れるぞインターネット … 2014年3月31日「笑っていいとも!」最終回でとんねるず&爆笑問題の乱入を受けて松本人志が「ネットが荒れる!」と繰り返した
R-指定
俺がターゲット
その荒い言葉使いに絶句する
Checkする 切腹せずライムとsexする
それが俺のやり方
Zeebraの前だから鼻息荒くもなるわな
呂布カルマは、MCバトルだから現場の延長とはいえ、テレビのショーなんだから呂布カルマとして求められていることを発言するというスタンスを明らかにしました。
R-指定は、年代の違うFORKに向かって「お前」を連発し「バカ」とまで言っていたことを生意気と指摘されたわけですが、(FORK以上に)憧れていたZeebraが見ているんだから鼻息荒くなるし、格好悪いところは見せられないという、再び「フリースタイル・ダンジョン」に呼ばれたことへの意義を明らかにしました。
FORKの進化
第3ラウンド
やり方が全然入ってこないぜ
限界超えてやる 常に全開だよ
まるでシェイクスピアも驚きの展開
まるで宇多田ヒカルの歌詞
疑いなく俺の方がヤバいと言わす
Automaticにこの勝負は決まる
お前のTravelingもここまでだ
煙草のFlavorが残ってるうちに終わらす
2時間もかかんねぇバカンスだったな
「人生最高の日(シェイクスピアだって驚きの展開)」、「Automatic」、「Traveling」、「First Love(煙草のflavor)」「二時間だけのバカンス」と宇多田ヒカルの引用で畳みかけたFORK。
R-指定とのバトルが最終までもつれ込み、最後自分で締めるという意識から奥の手を使ったんだろうと思う。
一人の歌手の、ここまで多くの作品を、これだけわかりやすく出してきたことはなかったから、観客がFORKに感じているマンネリをFORK自身も意識していて、それを打開しに行ったんだろう。
バトル前にR-指定が「(FORKは)カッとならない。冷静に淡々と上手い言い回しを続けていく。(それはスタイル何だろうが)チャレンジャーが熱くなった時に、チャレンジャーの方にお客さんが持っていかれる(原因になっている)」と指摘していましたが、熱くなったFORKを見ることができました。
第1ラウンドでR-指定が「FORK、ストレートで来いよ」と言っていました。
野球のフォークボールとかけているのはそうなんですが、それ以上に、「いつもはチャレンジャー相手に上からライムについて説教してるけど、俺には必要ないから説教抜きでバトルしよう」という意味があったんだろうなと思いました。
引用でいうと「R-指定=FORK」戦の前、サイプレス上野戦の呂布カルマも意外な引用をしていました。
ぶっちゃけ 初代弱ぇな 嘘じゃねぇよ 嘘じゃねぇよ
BAD HOP Benjazzyみたいなフロウでもかませるぜ
BAD HOPのT-Pablowがいるからでしょうか?
BAD HOPの「2018 (feat. Vingo & Benjazzy)」からBenjazzyのverse「嘘じゃねぇ 嘘じゃねぇ」をサンプリングしていました。
行き場の無いHaterの妬み
俺等がサボったらパクられたって
勘繰って喜んでるお前の事
皮肉だろじっとしてるお前らの
嫉妬のおかげで俺らまた一歩づつ
理想に近づいてくきっと
嘘じゃねぇ 嘘じゃねえ
手に入れる欲のまま
描いた理想の上を行く俺の路上の夢
まためちゃくちゃ
美人なBitchと仲間がしけこむ「2018 (feat. Vingo & Benjazzy)」BAD HOP
「R-指定=FORK」戦の判定について
1対1で迎えた3ラウンド目。
R-指定は「リアルじゃない問題」への返答をし、FORKは宇多田ヒカルの引用を重ねたのが第3ラウンド。
今まで見せてこなかった落とし方をしたFORKの勝ちだと思ったのですが、まさかのクリティカルでR-指定の勝ち、、、。審査員は宇多田ヒカルの引用を5か所理解できていたんでしょうか?
二代目モンスターの4人目は誰なのか問題
第2ラウンドでR-指定が「誰1人として4人目の器じゃないんだよ」と指摘していました。
「フリースタイル・ダンジョン」は5人勝ち抜き制をとっています。初代モンスターの時は、R-指定は4番目に登場し、チャレンジャーが般若に挑むのを何度も阻止していました(呂布カルマは阻止され、崇勲は突破しました)
4人目の器かどうかはおいておくとして、二代目モンスターでは誰が4人目なのかはっきりしません。裂固、崇勲、ACEはランクが一個落ちるから違うとして、FORK、呂布カルマ、輪入道が4人目に当たるはずなのですが、二代目の場合は4人目に誰が出るのか固定されていません。
誰が出るのかわからないところが二代目モンスターの面白い一面です。ただ、「待ってましたR-指定!」「アール、止めてくれ!」と初代のときに思っていたけど、二代目になってからこういう気持ちになっていないことを思い出しました。
R-指定が「負けたとしても、片目奪う気持ちでやっていた」と言っていましたが、それはつまり、R-指定が登場することでチャレンジャーに傾きかけた流れをモンスター側に戻そうとした、ということです。
peko、MCニガリa.k.a.赤い稲妻、Lick-Gいずれの場合もスルスルっと般若までいった印象があり、2人が般若を倒しました。
4人目を誰が引き受けるのか。二代目のなかで遠慮しあっているのか、誰も覚悟を決めないのか、、。輪入道は鉄砲玉というかかき混ぜるイメージがあるので、呂布カルマが4人目で居座るのがいいと思うのですが、どうか?
R-指定勝ち抜いて呂布カルマとの再戦して、何らかの問答があり、呂布カルマのモンスターとしてのスタンスに変化が生まれることを期待しています。