星野源が偉い10の理由

星野源が続けざまに「ROCKIN'ON JAPAN」「anan」「MUSICA」の表紙を飾り、色々背負わされていて凄いなぁと思ったところが今回のエントリのきっかけ。

星野源の何が凄いかと考えだしたけれど、偉いんだと思いついて、偉い所を挙げだしたらすぐに10個になりました。演技とかゲームとかの分野でも偉いのでしょうが、そこは守備範囲ではないから除外しました。

 

1.海外のドラマに接していて偉い

 

2.海外の音楽に接していて偉い

海外のバンドに影響を受けたバンドに影響を受けた「孫バンド」がJ-ROCKシーンに増えているそうです。そういったバンドは聞かないから論外として、海外の現在の音楽を吸収しているアーティストはどのくらいいるのでしょうか。

星野源は海外のアーティストと日本のリスナーを繋ぐ存在になっています。

ラジオでオンエアし、横浜アリーナ公演(14年12月)の客入れに前日発表になったばかりのディアンジェロ『Black Messiah』を使い、ブルーノ・マーズと対談し、チャンス・ザ・ラッパーの帽子を被る。


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海外の最新の音楽を聴いているだけでなく、聴いている楽曲をあらゆる手法で紹介する。偉い。

 

ここ数週間でオンエアされた楽曲(星野源オールナイトニッポンBLOGより)

Somewhere Over the Rainbow/Ariana Grande
Slide ft.Frank Ocean,Migos/Calvin Harris
Get Lucky/Daft Punk feat.Pharrell Williams,Nile Rodgers
Tap Dance Feat.Chance The Rapper and The Social Experiment/Octave Minds
Heatstroke ft.Young Thug,Ariana Grande,Pharrell Williams/Calvin Harris
Sugah Daddy/D'Angelo and The Vanguard
Move On Up/Curtis Mayfield
Paranoid Android(Remastered)/Radiohead

 

 

3.年長者と交流していて偉い

07年から「テレビブロス」で細野晴臣との対談を連載(「地平線の相談」)
17年3月に民放ラジオ101局特別番組で山下達郎と共演
17年4月に加山雄三80歳記念の誕生日会に参加

星野源は30代半ばですが、年長者と交流することで、世代の断絶を食い止めているところが偉い。

それぞれの人と交流しているアーティストはいますが(細野晴臣×岸田繁加山雄三×PUNPEE、、、)、何人もの方と交流できているのは星野源だけです。

 

4.シングルに毎回4曲収録しているところが偉い

星野源のシングルCDには、毎回4曲収録されています。最終曲は「HOUSE ver.」とある自宅録音音源です。

アルバムに収録されていない曲も多いので、そのうちカップリング・ベストがリリースされることでしょう。

 

5.自ら楽曲の解説をする所が偉い

曲をどのような意図で、過去のどの曲や年代のことを念頭においてその曲を作ったのかについて、音楽専門誌のインタヴューで語られることはありますが、CDのブックレットに解説がつく例は滅多にありません。

Mr.Children「B-SIDE」には鹿野淳が聞き手を務めたメンバー4人による解説が付いたり、奥田民生「FAIL BOX」やくるり「THE PIER」には渋谷陽一田中宗一郎による解説が付いていたりという例はありますが、本人が解説を書く例は他に知りません。

岡崎体育「感情のピクセル」のように、時に制作意図と違った解釈がされることはあっても、リスナーが自由に判断してくれというのがアーティストの基本的な立ち位置です。

が、星野源は違います。CDのブックレット用に短文を載せるだけでなく、エッセイ「いのちの車窓から」などで詳細な解説も載せています。

「自分の曲を入り口にして、幅広い音楽を聴いて欲しい」という意図があるんだろうと思います、実際は知らないけど。

 

6.購入者特典としてクリアファイルを付ける所が偉い

「YELLOW DANCER」「恋」「Familly song」ともに購入したらクリアファイルをもらいました。3枚とも同じA5サイズで、そんなに挟む書類はないけれどもらえると嬉しい。

メジャーな存在になったおかげで、地方のツタヤで買えたりもらえるようになったのでありがたいです。

 

7.アートディレクターを変えないところが偉い

カクバリズム所属の時は、SAKEROCK、ソロともに大原大次郎がアートディレクションをしていました。
移籍して、メジャー・アーティストになって以降は吉田ユニがアートディレクションをしています。

星野源の偉い所は、長年に渡り一貫して同じアートディレクターが行っている所もそうですが、CDやDVDだけではなく著作の装丁も行っているところです。

それは事務所が主導すれば「アーティストイメージの管理」ということなんだろうけど、そういうことではないような気がします。仲良いからお願いした、とか星野源が他の作品を気に入ってお願いした、というような。

著書の「そして生活はつづく」(単行本、文庫本とも)と「地平線の相談」(連載の題字も)は大原大次郎が、「いのちの車窓から」は吉田ユニが装丁しています。

 

8.文章が上達していて偉い

書評「いのちの車窓から」

こんなに大手術だったの?という表題作からはじまり、次の「多摩川サンセット」で早くもひとつめのピークを迎える。タクシー、深夜、散歩と1人の時間を大切にしながら季節を感じて生活しているのだろう。鶴瓶細野晴臣大泉洋新垣結衣などここ3年間で出会ってきた人たちのことも書かれているがラブレターのよう。だいたいのエッセイ集は少しずつ読み進めるのだけど、すぐに読み終えてしまった。続編はまだか?

 

「そして生活はつづく」「蘇える変態」「いのちの車窓から」を続けて読めば、うまさの加速具合がわかります。

「いのちの車窓から」表紙のイラストが「1」に見えるので、1巻ということなのでしょう。続編はまだか?

売れに売れたろうけど、もっと売れていい作品です。


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9.松尾スズキ「東京の夫婦」に推薦コメントを寄せていて偉い

松尾スズキさんの近刊『東京の夫婦』は傑作です。今までの著作やブロスの連載とはテンポ感が違います。

ラップのように言葉を詰め込み、バタバタしているのが特徴の一つでしたが、『東京の夫婦』には落ち着きがあり、ゆっくりとしています。

転機となる傑作に、星野源が帯コメントを寄せることで売り上げの加速が期待されます。


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10.バナナマンとの交流が続いていて偉い

「Family song」の歌詞の「救急車のサイレンが」という一節は「日村43歳誕生日ソング」を思い出します。

自身がどんなに忙しくなろうとも、毎年曲を贈り続ける。男がラブソングをテープに入れて女の子に贈ったら気味の悪さと紙一重ですが、星野源が日村に贈ると笑えて、繰り返し聞きたくなる楽曲になります。

繰り返しの聴取に耐えられる。つまり、リリースする自身の楽曲の時と同じ水準で作っていることが推測できます。「遊びこそ真剣に」とはよく耳にする文句であり、本業で日本最高水準の楽曲をリリースし続ける星野源が、自作でも取り入れていないラップを「日村45歳誕生日ソング」で披露するのだから、偉いを通り越して恐れ入る。

現在の日本で最も乗っているアーティストである星野源の成長過程を確認する意味でも、日村○歳誕生日ソング」コンパイルして発売してください。

この辺の経緯のことは、バナナマンが語っていますので、みやーんさんのブログを参照してください。

miyearnzzlabo.com

 

11.私のブログへのアクセスに貢献して偉い

偉いというか、御礼です。

サケロック」でググると3ページ目に「SAKEROCK『SAYONARA』とは、どういうアルバムか」という私の書いたエントリが出てきます。15年3月に書いたものですが、アクセス数の50%はこのエントリに集中しています(残りの45%は「ブルージャイアント」関連で、5%がその他)

どうもありがとうございました。

tabun-hayai.hatenablog.com