読書日記(2022年1月11日~2022年1月23日)

1月15日(土)

「2010s」(宇野維正、田中宗一郎を読み終わる。

「2010s」は2010年代の音楽、映画、テレビシリーズについて作品や作家だけでなくインフラについても語られた対談集。

読みながら考えていたのは、海外の作品に触れることの必要性について。

海外の作品の市場が減少し、海外のアーティストが来日しなくなることで、どのような不利益や不都合が生じてしまうのか?

海外の作品が聴かれ観られ、広まった未来は今と何が異なるのだろうか?ガラパゴス化してしまうことは何が危ういのだろうか?

個人的には英語を勉強して何を言っているかを理解していけたら良いと思っている。

1月17日(月)

「批評の教室」(北村紗衣)を読みはじめ、50ページくらい読む。第1章は「精読」について。書かれていることを漏らさずに読み込むとはどのようなことか、どのように読めばよいのかが書いてあった。

1月20日(木)

「逃げる女」「サバイバー」「いのちの車窓から(文庫)」を注文した。大友克洋全集の童夢も今週末には届く予定。

「逃げる女」は、Web本の雑誌の「新刊めったくたガイド」(古山裕樹)を読み気になった1冊。

 こちらもシンプルな構造で読ませる物語。青木俊の『逃げる女』(小学館)は、タイトル通りの逃亡、そして追跡のドラマで読ませる作品だ。

 札幌で起きた殺人事件。警察は通報者の久野麻美の犯行を疑うが、逮捕直前に彼女に逃げられてしまう。道警が全力で追跡するものの、彼女はその手をすり抜ける。道警のベテラン刑事と、所轄の新米刑事のコンビが麻美の行方を追う......。

 麻美が知恵を駆使して、監視カメラと警察の捜査網をくぐり抜けて逃げ続け、奇抜な方法で北海道を離れる。その行方を二人の刑事が追う。意表を突く逃亡者と、その行方を追う地道な追跡者。やがて、麻美はただ逃げているのではなく、ある事情を抱えていることが明かされる。逃走のドラマを通じて、読者から見た彼女の姿が変わっていくさまも本書の魅力の一つだ。

 ラスト近くまで逃亡と追跡を積み重ねるタイトル通りの展開に、意外な真相を組み合わせた作品として楽しめる。

芦辺拓『大鞠家殺人事件』の波瀾に満ちた物語を堪能! - 新刊めったくたガイド|WEB本の雑誌

 

夜、「九条の大罪」(真鍋昌平を4巻までまとめて読む。最近のところは掲載誌「スピリッツ」で追っているから4巻は駆け足になったが、それでも1巻から3巻の濃密さは異常。弁護士・九条と半グレ・壬生、ヤクザのバランスは均衡が保たれているが、どのように崩れていくのかを追っていきたい。人気はあるし、大きなゴールがあるわけでもないから連載は長期化するだろうな。脱落せずにいたい。

1月22日(土)

「九条の大罪」の作者である真鍋昌平さんが文春オンラインでのインタビューで挙げていた「犯罪」を注文する。海外文学は今年何冊か読みたいと思っている。

真鍋 まだ「ウシジマくん」の連載をしていた時に、取材対象者たちからよく弁護士の話を聞いたんです。半グレ、ヤクザといわれるような犯罪に関わる人たちはしょっちゅう警察のお世話になるので、どの弁護士がいい、という情報が出回っているんです。「あの先生は動きがいい」「あいつはダメだ」などと噂されている弁護士に会いに行って話を聞くうちに、フェルディナント・フォン・シーラッハの『犯罪』みたいな面白いストーリーができるかも、と考えるようになりました。

bunshun.jp

1月23日(日)

「あなたのための短歌集」(木下龍也)を読み終わる。普通は作品からテーマや情景を思い浮かべようとするが、テーマとなる「お題」も記載されているので、作者の思考回路を辿れるようで興味深かった。作品の一部に作者の男目線が出ていて興ざめする句はあるが、歌集としては敷居が低く、短歌の教科書としても優れている作品であると思う。

「逃げる女」を50ページくらい読む。北海道が舞台なので移動するルートを具体的に思い浮かべることはできないが、そんなことは関係なく面白い。

ゴールデンスランバー」(伊坂幸太郎は逃げる側の視点だったが、「逃げる女」は追う側の視点で描かれている。逃亡物は緊迫感があって良い。

 

<< この期間に購入した本 >>

「少年イン・ザ・フッド(4)」SITE(Ghetto Hollywood)

「逃げる女」青木俊

「サバイバー」チャック・パラニューク

「いのちの車窓から」星野源

童夢大友克洋

「犯罪」フェルディナント・フォン・シーラッハ