藤原嗚呼子「きまじめ姫と文房具王子」

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店頭で見かけたときは表紙の感じからファンシーな作品なのかという印象を受けましたが、文房具好きなので抵抗できず購入しました。

読了後に掲載誌を確認したら「月刊スピリッツ」でした。ドラマ化された「重版出来」が有名ですが、他にも「阿・吽」や「映像研には手を出すな」、「へんなものみっけ!」が連載されている雑誌であり毎年の年間ベストランキングを賑わす作品が連載されている雑誌です。「SK8R'S」の連載が再開されたら定期購読しますが、ネットの真偽不明な情報では再開しそうになく、、、。

さて、本作「きまじめ姫と文房具王子」は、文房具に関心をもっていなかった京都の大学講師の「きまじめ姫」がマニアでありコレクターでもある「文房具王子」や大学の文房具同好会の面々に振り回されながらも文房具の魅力に気づいていく構成です。

この構造は、同じ版元(小学館)から発行された「鉄子の旅」を思い出させます。「鉄子の旅」は作者が鉄道ライターの横見浩彦に振り回されながらも熱に感化されていくエッセイ漫画でした。

さて、本作はタイトルに「文房具王子」とあり、以下に引用した目次からもわかるように、小道具として数々の文房具が登場します。

1話 万年筆 #1
2話 万年筆 #2
3話 修正液 #1
4話 修正液 #2
5話 ノート #1
6話 ノート #2
7話 付箋
8話 筆箱

「鉄道オタク」といっても乗り鉄撮り鉄、時刻表、全駅下車、、、といった区分けがあるように、「文房具」にも多様な種類があります。

私についていえば、1巻収録のジャンルでいうと、万年筆と修正液はそんなんでもなく、ノートはドストライクで、付箋も結構買ってます。

万年筆は普段使いしないし、凝るには高すぎるので、私は「ペリカーノジュニア(ペリカン)」と「kakuno(PILOT)」を持ってるだけです。字を書く時は私的な場面が多く、間違えた際にわざわざ修正液を使うこともないので修正テープをたまに使うだけです。

1話から4話の万年筆、修正液は過去の製品紹介が主でしたが、5話目から7話目はノート、付箋それぞれの最新商品が紹介されていました。

影響されて、神戸派計画のノートを買いました。

今後は、ボールペン、シャーペンといったメジャーどころの登場を楽しみにしています。作品のなかで、同好会からサークルへの格上げ申請の際に「新しい文房具の開発」という目標が出ました。これは文具メーカーとコラボして製品を発売するというフラグが立ったと理解して良いのでしょうか?

表紙のイラストでは人物の他に文房具も描かれていますが、具体的にどのメーカーの何々と判別できるほどに、文房具のフォルムには個性が見て取れます。もしかすると、私がマニアの領域に入っているから気づけてしまうのかもしれません、、、。

そして、カバーを外すと、ノート、ペンなど10種類の文房具が机の上に並べられているかのようなイラストが描いてあります。
その中に愛用(所持)している「クリップココフセン(カンミ堂)」「LAMY サファリ」「ソフトリングノート(コクヨ)」の姿を確認しました。

ちなみに、私の最近のお気に入りの文房具は水性ペンの「トラディオ・プラマン(ぺんてる)」です。建築家の谷尻誠さんがラジオで愛用していると話していたのを聞き、買いました。さすがの書き味であり、最高です。

pentel.blog.jp

ストーリーは一話か二話で完結しますが、文房具を語る登場人物の熱が推進力となり、飽きることなくすぐに続きが読みたくなります。

文房具に関心のある人でも新しい文房具に出会えるし、関心が薄い人でも何らかのこだわりに気づける作品です。

2巻はまだか?