テレビと現実の間 ~ 「水曜日のダウンタウン」MONSTER LOVEについて~

2022年12月21日、「水曜日のダウンタウン」で安田大サーカス・クロちゃんによる5度目の告白を見た。

1度目は2017年に「フューチャー・クロちゃん」で、「レイちゃま」こと小林レイミさんに。

2度目は2018年に「MONSTER HOSE」で莉音さんに。

3度目は同じ「MONSTER HOUSE」で蘭さんに。

4度目は2019年に「MONSTER IDOL」でカエデさん(後のカエデ・フェニックス)に。

そして、今回の「MONSTER LOVE」でリチさん(都内某所)に。

リチさんが以前からクロちゃんのことを好きだったこともあり、告白は受け止められ「クロちゃんの告白」という長期シリーズは一区切りを迎えました。

 

< 「MONSTER LOVE」 >

最新作である「MONSTR LOVE」はクロちゃんのことが好きで応募したリチとリサ以外はアイドル志望で、「アイドルはファンに好きになってもらうもの」ということからクロちゃんを好きにさせることが課されていました。

そのため、最終の2人に残ったミクは手をつないだり、頬にキスしたり、添い寝したり、お弁当を作ったりといった積極的なアプローチを仕掛けていました。

一方で、リチはクロちゃんのLINEのIDを教えてもらい、身につける物が欲しいとねだり砂時計のネックレスをもらっていました。

そのことに対して東野幸治は「何やこの娘、もらってばっかりやな」と批判のコメントをしていました。

私はここに違和感をもちました。

お弁当や添い寝は一時的なことですが、LINEのIDを知り、砂時計のネックレスをもらうということは、クロちゃんが生活に入り込み、クロちゃんを常に意識することになります。そもそも好きでもない人から趣味に合わないアクセサリーを貰っても身につける気にはならないから、クロちゃんのことが好きでなければできないことです。

リチはテレビ番組という枠を抜けて、クロちゃんとの現実を生きているように見えました。

 

< テレビと現実 >

水曜日のダウンタウン」でのクロちゃんの恋愛は、常に「テレビ」と「現実」の境目を意識させてきました。

クロちゃんはテレビ用に演じることなく、常に「現実」の側にいて自身の現実を生きているので、告白をする際は黒川明人がありありと出てきます。

一方で、相手の女性は「テレビ」と「現実」のそれぞれの立ち位置からクロちゃんと接していました。

「フューチャー・クロちゃん」のレイちゃまは「テレビ」の企画として出演していました。

「MONSTER HOUSE」の莉音と蘭は「現実」の人物としてクロちゃんに接していました。莉音はクロちゃんのことが好きにならなかったためクロちゃんの告白を断りました。蘭は莉音に振られたクロちゃんがアクセサリーを使いまわし、第2候補だったことが気に入らず断りました。

「MONSTER IDOL」では自分が付き合いたいから自身のプロデュースするアイドルグループのオーディションを落としたカエデに告白するも断られてしまいました。

カエデにはアイドルになりたいという夢があり、クロちゃんがと付き合いたいわけではないのでした。。

 

< クロちゃんのキス >

私自身にとっては誰かと手をつなぐことはよっぽどのことですが、クロちゃんにとってはドキドキする段階にないらしく、付き合ってもいない子と普通に手をつないで街を歩いたり、添い寝したりします。

そんなクロちゃんですが、キスをされると「純朴な黒川明人」の姿が現れます。

「MONSTER HOUSE」で家飲みをしていると、「俺とキスできる?」「できるよ」のやり取りの後、蘭とキスをします。

蘭が部屋から出ると、部屋に残ったクロちゃんから「忘れんなよ」と普段とは違う純粋な心の叫びが出てきました。黒川明人としての本音でもあったはずです。

最新作「MONSTER LOVE」で「口くさ問答」をした後に、リチから不意にキスをされます。呆然とした表情で「久しぶりの口チュー」とつぶやく黒川明人の姿がありました。

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リチと付き合って以降はキスへのハードルが下がり、もうキスでは黒川明人が顔を覗かせることはなくなりました。

 

< クロちゃんと口でキスをした2人 >

クロちゃんと口でキスをしたのは、蘭とリチ。

クロちゃんと接した数多くの女性の中で、この2人(とリサ)はクロちゃんのことを「黒川明人」として見ていたんだろうと思います。

クロちゃんと仲良くすることを仕事やアイドルになるための手段と捉えていなかった2人です。
蘭が「MONSTER IDOL」に続き「MONSTER LOVE」でも買い物に付き合うというのは、まだ良好な関係が続いているという証拠です。

(今回の再登場で蘭さんのTwitterを見たところ、呂布カルマの出ているACのCMで最後に歌う店員が蘭さんと知り、活躍に驚きました)

 

< クロちゃんの今後 >

「華大千鳥」に出演した際も千鳥・大悟に反応の手数の多さを驚かれていましたが、見た目のインパクトにつられて、過小評価されているタレントがクロちゃん何だろうと思います。

「幸せなお前に何の興味もない」という松本人志さんのコメントはその通りですが、幸せになったことで出川哲朗バナナマン日村(口の中を見たいという願望を日村からも聞いた覚えがある)への道も開けているような気はするけれど、たぶん勘違いですね。

クロちゃんは1976年12月生まれなので、40歳から46歳にかけての恋愛を見てきました。40歳ころは席を外した隙に女の子のグラスを嘗め回していましたが、多少は成長したのだろうか。

「いつも間違えて」「臆病になる」のは誰だってそうで、自分だってそうなので、クロちゃんの極端さをテレビの世界のことで済ませられず、自分のことも振り返ってしまうところがある。

おめでとうございました。「お幸せに」はもう幸せそうだから言いませんけど。